2016 Fiscal Year Research-status Report
批判的思考力を育てる教科書準拠の設問と評価基準づくり
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26370677
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
峯島 道夫 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (10512981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 理恵 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (40766987)
大湊 佳宏 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (70413755)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 批判的思考 / クリティカルシンキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の本年度(2016年度)の中心課題は、高等学校で実際に使われている英語の科目「コミュニケーション英語I」の教科書に準拠した、批判的思考(以下,CT)力育成のための設問・タスクおよびその評価規準・基準の有効性を、授業実践により検証し,その結果を学会発表と論文化ができるレベルまでに総括することであった。 より具体的には,態度(dispositions)と能力(abilities)の2つのカテゴリーから成り、CT力伸長のための20の主要なストラテジーを一覧表にまとめた「CTスキズ早見表」に照らして,1年生の必修科目である「コミュニケーション英語I」の1年間3学期に及ぶ授業のどのレッスンでどのCT課題を与え,さらにそれをどのような基準で評定するかを決め,それを実践し,その実践で得られたデータを次の4つの方法で分析することによって、その効果を検証した。4つの方法とは,①パフォーマンス課題(実技試験)に対する学習者の回答の質的分析,②パフォーマンス課題に対するCT評価基準に基づくA,B,Cの3段階判定の量的分析,③1年間のCT指導の総合的な効果を測るための事前(4月)と事後(翌年3月)のt検定による平均値の比較,および④質問紙調査の自由記述の分析,であった。その結果,①から④の全てにおいてCT指導の効果を読み取ることができた。 今回の科研の課題である「批判的思考力を育てる教科書準拠の設問・パフォーマンス課題と評価規準づくり」の有効性が,高等学校における1年に及ぶ長期の授業実践によって実証されたのは大きな意義があった。この実践の成果は,地区ではなく全国レベルの英語学会の一つである『全国英語教育学会』で発表され、その後実践をまとめた論文も採用となった。研究協力者およびご理解ご協力をいただいた該当高の英語の先生方に心より御礼申し上げる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は,これまでの過去3か年の研究成果を冊子にしてまとめることである。現在,何を載せ何を載せないかの選択の作業を進めている。一年の猶予があるのできちんとした形にまとめたい。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり,研究成果をまとめる冊子の編集方針を研究分担者,研究協力者と協議しながら作業を進めたい。
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Causes of Carryover |
研究協力者のフィンランドのポラーリ氏の2回の来日予定がいずれも都合により実現しなかったことが最も大きな理由である。もう一つの理由は,2016年度に作成予定であった研究成果報告書(冊子)の編集が遅れており,その分の予算を未使用のため。さらにもう一つの理由は,新たに研究分担者となった前の研究協力者が必要な物品の購入を手控えたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本科研の研究年限を1年延長したので,研究協力者のポラーリ―氏に2017年度の来日が可能であればぜひ来ていただく。もし不可能ということであれば,クリティカルシンキング関連の国際学会への参加等によって使用する。またコンピュータ等の機器の不具合も見られるようになってきたので必要に応じて購入したい。あとは成果報告書(冊子)の印刷代である。さらに,新たに研究分担者となった前研究協力者が必要な物品を購入し,研修や成果発表のための旅費等に使う予定である。
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