2015 Fiscal Year Research-status Report
映画を活用した医療系大学生向け習熟度別英語教材の開発と指導法の研究
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26370684
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
角山 照彦 広島国際大学, 看護学部, 教授 (00300418)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 映画英語教育 / 教材開発 / ESP / 習熟度別教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、映画の同一場面を素材とした難易度の異なる3レベルのe-learning対応型英語学習教材を開発し、現在多くの大学にて実施されている習熟度別教育やリメディアル教育の効果を上げることを目的としている。開発教材は、動機付けに効果的とされる映画を活用し、習熟度・動機付けに大きな差がある大学生の基本的英語運用能力の向上を目指したものであるが、特に、医療系大学での活用を念頭に、医療や福祉など、学習者の専攻分野に関連した内容を扱った素材を題材とすることでESPにも対応できるものを目指している。 2年目となる平成27年度は、主要教材のコンテンツ開発およびeラーニング化と位置づけ、研究計画として挙げた4項目(①コースウェアの大枠決定、②ESPの視点による映画の素材研究および教材開発、③e-learning用プログラムへのコンテンツ移植、④開発教材の試行および評価)のうち、主に②および③に従事した。 ②については、初年度に選定した“Awakenings”および“Patch Adams”をベースにした3種類のレベル別教材開発を進めたが、特に、初級レベルに当たるベーシック版の教材開発を中心に進め、研究成果を国内外の関連学会および学術雑誌にて発表した。また、初年度に開発した中級レベルに当たるスタンダード版については、試用結果をもとに教材の第一次評価を行い、修正版を制作した。上級レベルに当たるアドバンスド版については、プロトタイプ版の試用を開始し、第一次評価のための基礎データ収集を行った。 ③については、本研究用のMoodleサーバーを研究代表者の勤務校内に新たに構築し、これまで使用してきたホスティングサーバーから既存のデータを移管すると共に、今年度新たに開発した追加コンテンツの移植を行った。 以上の研究成果に基づき、最終年度となる平成28年度は開発教材の試行および評価を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目となる27年度においては、研究計画として挙げた4項目(①コースウェアの大枠決定、②ESPの視点による映画の素材研究および教材開発、③e-learning用プログラムへのコンテンツ移植、④開発教材の試行および評価)のうち、主に②および③に従事した。 ②については、初年度に選定した“Awakenings”および“Patch Adams”をベースにした3種類のレベル別教材開発を進めたが、特に、初級レベルに当たるベーシック版の教材開発を中心に進め、研究成果を国内外の関連学会および学術雑誌にて発表した。また、初年度に開発した中級レベルに当たるスタンダード版については、学習者への試用結果をもとに教材の第一次評価を行い、コンテンツの一部入れ替えをした修正版を制作した。上級レベルに当たるアドバンスド版については、制作したプロトタイプ版の試用を開始し、第一次評価のための基礎データ収集を行った。 ③については、機能、操作性等、様々な観点から詳細な検討を加え、eラーニングに使用するプログラムとして、オープンソースのコース管理システム(CMS)であるMoodleを選定した。そして、本研究用のMoodleサーバーを研究代表者の勤務校内に新たに構築し、これまで使用してきたホスティングサーバーから既存のデータを移管すると共に、今年度新たに開発した追加コンテンツの移植を行った。同時にMoodleのアップグレードを行い、学習者の使い勝手を改善した。上記アップグレードに伴って、既存コンテンツの一部修正を余儀なくされたが、大きな問題もなく移管が終了した。 ④についても、すでに可能なものから開始し、学習者のフィードバックをもとに随時修正を加えている。 以上から、研究は概ね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年となる28年度においては、研究計画として挙げた4項目(①コースウェアの大枠決定、②ESPの視点による映画の素材研究および教材開発、③e-learning用プログラムへのコンテンツ移植、④開発教材の試行および評価)のうち、②③を完了させると共に④を行い、研究の総括を行う予定である。 まず、②については、開発を進めている“Awakenings”および“Patch Adams”を題材とした教材の第一次評価に基づいてコンテンツに必要な修正を加え、レベル別教材を完成させる。対面授業とeラーニングのブレンディット・ラーニングを実践できるように、開発教材は、テキスト版、eラーニング版の2種類のフォーマットを準備する。また、映画を活用した上記ESP教材と連携して活用するための自主学習用追加コンテンツをeラーニング版に用意するが、追加コンテンツは独自に開発する他、二次使用の許諾を得た外部制作コンテンツを加え、レベル別、スキル別に配置する。この他、教材化の候補として選定した作品群のシナリオデータ制作など、教材開発の準備を進める。 次に、③については、②の準備が整い次第、順次サーバーへの移植を行う。PC、タブレット、スマートフォンなど、多様なデバイスに対応できる仕様とするが、学習者に試用しながら随時フィードバックを受け、使い勝手を改善していく。 最後に、④については、動機づけなど学習者の情意面への効果、英語運用能力向上への効果を量的分析により測定する他、学習者からのフィードバック、教授者視点からの使い勝手などを質的分析により測定し、総合的な二次評価を行う。研究成果については国内外の関連学会にて発表する他、学術雑誌へ投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
サーバー構築費用の一部(インストール作業等)を研究代表者が行うことで、構築費用を予定額より低く抑えることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発教材コンテンツの制作費用および研究成果発表のための学会出張にかかる旅費に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)