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2014 Fiscal Year Research-status Report

語順と認知負荷が英文発話プラニングに及ぼす影響:心理言語学実験と教育的応用

Research Project

Project/Area Number 26370699
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

柳井 智彦  大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (60136025)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords文のプラニング / 認知負荷 / 心理言語学 / 英語教育 / 英語のスピーキング / 日英語の語順
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,日英語で語順が異なる構造(文要素の配列構造(SVOとSOV)や後置修飾構造等)に関して,発話に伴う「認知負荷」を調整することにより,文生成のプラニングが変化するかを心理言語学的に実験する。変化が確認できれば,それは「英語の語順で考え,話す」ことを人工的に誘発しうる可能性を示唆しており,英語学習に大きな変革を提案できる。
初年度は,①学習者を訓練することによって,動詞中心に英文のプラニングを行うことへの変容は可能であるのかを実践的・実験的に検討すること,②認知負荷を変化させると,①のプラニング状況に異なった変化が生じるのかを実験的に検討すること,の2点を行った。①については,Choe(2010)が実験目的で用いた技法(英語学習者に動詞を基軸に文を組み立てるという経験を与える方法)を筆者の英語授業において訓練目的で活用した。その結果,英語力の上位群において,英語のネイティブと同様に動詞中心のプラニングパターン(動詞の情報を最初に与えると,文生成時間が減少すること)が発現した。②については,動詞の時制を指定して文生成をさせることにより,認知負荷を高くして①と同様の実験を行った。結果は,予想に反して,①で得たプラニングパターンは上位群においてさえ消失し,様々な交互作用が生起した。これは時制の判断(現在進行形か過去形か)という形式(form)に認知負荷がかかりすぎたからではないかと思われる。
次年度は形式以外の負荷(例えば動詞の文型特性など)を変化させて,プラニングパターンを検証し,学習者にとっての「英文の組み立てやすさ」を探る。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

学力上位群に関しては,訓練を与えることによって英文組み立てのプラニングがネイティブに近いものになることが見出された。この実験結果は,英語教育の中でおそらく初めての事実の提示である。しかし,その実験結果は,時制という認知負荷を加えると異なったものになったため,今後は負荷の種類を変えるなどの工夫と検証がさらに必要となる。なお,26年度の成果は27年の全国英語教育学会(熊本)で発表し,英文で論文化する。

Strategy for Future Research Activity

次年度は,動詞に関わる認知負荷を,時制とは異なるもの,たとえば文型(自動詞構文と他動詞構文)などに代えてさらに実験を行う。また,授業中に行う訓練の方法を,単に動詞に慣れさせる方式から,文を自分で作り出すという方式に変えて,効果を見定める。また,句レベルで日本語と語順の異なる構造(後置修飾など)に関して,認知負荷によるプラニングへの影響について,実験計画を詰めていく

Causes of Carryover

次年度(平成27年度)に行う実験には当初の予定よりも多くの謝金(実験補助,分析補助)を要すると見込まれるため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度(平成27年度)分として請求していた100000円と合わせて,実験補助の謝金及び学会発表の旅費として使用する。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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