2014 Fiscal Year Research-status Report
大学生による協働的ライティング活動:協働に対する認識の変化と指導効果の検証
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26370704
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
阿部 真 獨協大学, 外国語学部, 特任講師 (70553626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 博之 関西大学, 外国語学部, 准教授 (30452684)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ライティング / 協働への認識 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大学における授業におけるペア・グループ単位でのライティング活動(協働的ライティング)に対する,学生の認識を調査するための測定尺度構成,信頼性・妥当性検証である。1年目の2014年度は,協働(「協同」や「協調学習」を含む)を扱う学問分野の文献,国内外の学会発表からの情報収集,過去に実施した協働的ライティング研究における対話データと質問紙への自由記述回答の検討により,質問項目の候補を用意した。その際,ペアやグループの構成メンバーがいかに話し合いを通して相互に交流し目標の達成に個人が貢献し,学習に対する動機づけを高めることができるかという教育心理学的視点,協働的対話がどのように学習者の学習機会を増やし,対話を通して個人では達成できないような新たな知識を構築できるかという外国語教育学的視点,さらには,近年急速に発達しつつあるオンライン・コラボレーション・ツールなどをどのように活用することができるかという教育工学的な視点から,項目の選定・作成が行われた。結果として51項目がプールされた。予備調査による項目の修正・削除を経て,最終的に24項目が選定され,大学生360名を対象として探索的因子分析を行った。その結果,学生の協働的ライティングへの認識は「高い学習効果」「学習効率への懸念」「協働の楽しさ」という3因子で構成されていることが明らかになった。また,検証的因子分析を行った結果,3因子モデルにおいて十分な適合度が確認された。したがって,3因子を本研究における協働的ライティング認識尺度とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は文献研究・尺度の作成・分析を予定していた。文献の研究においては,外国語教育,教育心理学,教育工学3分野において協働的ライティングに関わる研究と知見をレビューできた。データ収集に関しても,研究代表者・分担者2名の勤務大学において計360名のデータ収集を当該年度に終了し,尺度の3因子のモデルの獲得までの分析過程を終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,研究計画通り授業で使用するタスクを作成し,協働的ライティングのパイロットを実施する。その際に平成26年度で開発した質問紙と、代表者と分担者による平成23年度において開発された質問紙を使って調査を実施し、現在の3因子モデルの併存的妥当性を検討する。得られたデータは、代表者と分担者が合議して分析する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の3月末の海外学会参加のための費用が年度内予算で精算が不可能であったため,当該年度の残額23,428円を充てて翌年度に精算をする計画を立てた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年3月の海外学会参加費用の一部として平成27年度に精算をする計画である。
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