2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Cross-Language Comparison of Phonetic Characteristics of English as a Lingua Franca in Asia
Project/Area Number |
26370715
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 克正 名古屋学院大学, 外国語学部, 名誉教授 (10083792)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際共通語 / 英語 / アジア諸言語 / 閉鎖子音 / VOT / 学習モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は課題研究の最終年であり、調査対象にしている言語の音声資料の補充と過去3カ年間の研究のまとめに取り組んだ。音声資料の補充ではビルマ語、中国語(北京語)および英語のデータを収集し、音声分析を行った。過去2カ年間の音声分析データと3年目の分析結果を併せ、研究発表を平成28年10月に行われた2016International Conference on English for Specific Purposes (2016 ICESP)、さらに平成29年3月に開催された第12回音韻論フェスタ(2017)で行った。2016 ICESPでは、中国語を母語にする話者が英語を学習する場合の英語閉鎖子音の習得を中心に述べ、これらの学習ではそれぞれの言語における閉鎖子音のvoice onset time値(VOT,声帯振動の開始時間)の近似性が重要であり、この結果を踏まえ外国語学習における発音習得のモデルを論じた。また第12回音韻論フェスタでは、今まで調査してきたアジア諸言語の閉鎖子音のVOT値について、言語間の普遍性を論じた。この発表では、VOT値はビルマ語を除いて閉鎖子音の主要範疇を弁別する主要な要因であり、また諸言語の調音点(両唇、歯茎、軟口蓋)の間には相関性があることを統計的に実証した。さらに、雑誌論文では大学英語教育学会中部支部紀要に投稿し、日本人学習者による英語母音の習得について、音響音声学的な分析を行い、第二言語(L2)の発音学習に関する理論的な考察を行った。L2の発音学習には幾つかの学習モデルが提唱されているが、実質的には母語と英語との音声的特徴の近似性が大きく関与し、知覚同化モデルがより有意であることを論じた。最終的なまとめとして、国際共通語としての英語の音声学習の理論的・実践的な考察をおこない、英語音声学研究を中心した原稿の準備を行った。
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