2014 Fiscal Year Research-status Report
北米の大学で学ぶ日本人・韓国人・中国人の英文ライティングに見られる文法知識の特徴
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26370720
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡裏 佳幸 福岡工業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00389397)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文法知識 / ライティング / インプット / 第二言語としての英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、北米の大学で学ぶ第二言語としての英語学習者である日本人・韓国人・中国人が、4技能のひとつであるライティングにおいて、自国での英語学習によって受けたインプット (input) をどのように体現するのかを、文法知識(grammatical knowledge)の観点から比較・研究を行うことである。この目的を達成するために、平成26年度における研究計画として、(1) データ収集方法の検討、(2) データ収集用ホームページ作成のための意見交換、(3) データ収集・分析に関わる文献・資料の収集、(4) データ収集用ホームページ作成、を想定していたが、ほぼ終えることができた。まず、データ収集に関しては、効率性を最優先し、オンラインで実施することとした。次に、データ収集用ホームページを作成するために、データ収集に関わる意見交換を行った。さらに、トロント大学ロバーツ図書館(Robarts Library, the University of Toronto)において、データ収集・分析に関わる文献・資料の他に、ライティング研究、第二言語習得研究等に関する文献・資料を収集した。以上に基づいて、データ収集用ホームページの作成を専門業者に依頼した。データ収集用ホームページは、英語学習履歴に関するアンケート項目とライティング・タスクによって構成されている。アンケート項目に若干の修正を加え、北米在住の大学生を対象として、データ収集用ホームページの稼働確認を行った後、データ収集を開始することができる状況に達している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度における研究計画として、(1) データ収集方法の検討、(2) データ収集用ホームページ作成のための意見交換、(3) データ収集・分析に関わる文献・資料の収集、(4) データ収集用ホームページ作成、を想定していた。データ収集用ホームページは、英語学習履歴に関するアンケート項目とライティング・タスクによって構成されるが、若干の修正を加え、試験的運用を経た後に、平成27年度からデータ収集を行うことができる状況に達している。それゆえ、平成26年度終了時点では、本研究計画は、おおむね順調に進展している、と言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、前年度にひきつづき、文献・資料を収集しながら、作成したデータ収集用ホームページを利用して、北米の大学で学ぶ日本人・韓国人・中国人の英語学習者からデータを収集する予定である。アリゾナ州立大学、ニューヨーク州立大学、ミシガン大学、西ミシガン大学等でのデータ収集を検討している。また、データ収集と並行して、語彙知識についての意見交換を予定している。 平成28年度においては、前年度同様に、データ収集を継続しながら、専門家との意見交換を行い、データ分析にも着手しなければならない。第1に、データ収集をトロント市内の大学において実施する予定である。具体的には、トロント大学、ライアソン大学、ヨーク大学を候補として考えている。第2に、データ分析に着手する前に、世界的に著名な社会言語学者であるJ. K. Chambers 博士(トロント大学教授)との意見交換を行うことによって、社会言語学的観点から、言語の多様性と変化についての助言をいただく。そして、専門家の助言に基づいて、データ分析に着手する。 本研究の最終年度である平成29年度は、データ収集を継続しながら、データ分析と研究総括を行う。第二言語習得におけるインプットの影響が、研究対象者のライティングに何らかの形で反映されることが予想される。そこで、第二言語習得におけるインプットの権威であるPatsy M. Lightbown博士(コンコーディア大学名誉教授)、Nina Spada博士(トロント大学教授)より知識提供を受ける予定である。また、データ分析において、Zoltan Dornyeiが指摘しているように、定性・定量融合アプローチを採用する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度以降において、データ収集を行う際、プライバシーの問題が関係するため、アメリカ、カナダにおいてデータ収集を行う場合、調査対象となる大学から許可を得るのに時間を要することが予想される。それゆえ、調査対象となるアメリカ、カナダの大学、カレッジを直接訪問し、研究への協力を依頼するか、研究協力の依頼文書を郵便で送付することになる。そのための費用が必要と判断したため、次年度使用額に変更が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のとおり、アメリカ、カナダの大学、カレッジを直接訪問し、日本人・韓国人・中国人が受講しているクラスの担当者に、本研究への協力を依頼するとともに、収集したデータの扱いについて説明する必要がある。そのための旅費として使用することが考えられる。また、直接訪問することができない大学、カレッジについては、研究協力の依頼に関する文書を送付しなければならない。それゆえ、郵送費として使用することも検討している。
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