2016 Fiscal Year Research-status Report
南部アフリカ・アンゴラ共和国における言語政策の動向
Project/Area Number |
26370727
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
寺尾 智史 宮崎大学, 語学教育センター, 准教授 (30457030)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | アンゴラ / 言語政策 / ネーション・ビルディング / 移民と言語継承 / ポスト・コロニアルの言語状況 / 多言語主義とマスメディア / 南部アフリカ / PALOP |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次年度に実施予定の現地フィールドワーク・聞き取り調査に向けて、準備を進めた。次年度は現地(アンゴラおよび比較対象としてのサントメ、赤道ギニア、植民地時代の史資料収集先としてのポルトガル)でのフィールドワーク、聞き取り調査を実施するが、これに向けて現地の言語意識をメディアを用いて探った。現地メディアである新聞およびインターネット新聞である Jornal de Angola, O Pais, Semanario Angolense, Agora, A Capital, Angolense, Novo Jornal, Angola 24 horas, Jornal Folha 8, Rede Angola等、テレビ局である TPA-Televisao Publica de Angola, TV Zimbo, RTP Africa, 通信社である Angop-Angola Press, AngoNoticias, Club-K, ラジオ局であるRNA-Radio(以下、R. と略) Nacional de Angola, R.Ecclesia, Antena Comercial, R.Mais,LAC-Luanda Antena Comercial, Ngola and Diaspora, Ngola R., Nostalgia Viva Afro Music,R. Canal Angola, R.Estereo, R.Five, R.Kuia Bue FM, R.Kwanza Sul, R.Luanda, R.Perola Negra(ここまですべてポルトガル語), R.N’Gola Yetu(バンツー系のいわゆる「国民言語」である複数の言語での放送)等の記事、番組などを量的調査し、公用語ポルトガル語とその他の「国民言語」についての意識の相関について検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワーク以外の研究課題については順調に進んだ。ただし、本研究課題の仕上げとなり、助成残額の大半の費目となる第二回フィールドワークについては、本年度(2016年度)内に実施できなかった。これは、当初、助成額では、フィールドワークの実施において、その対象地、特にアンゴラ首都ルアンダにおける物価高騰のトレンド、とりわけホテル業界の法外ともいえる宿泊費価格設定とその継続的上昇が壁となり、経済的に大変困難であると判断されることに因るところが大きかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である次年度(2017年度)は現地(アンゴラおよび比較対象としてのサントメ、赤道ギニア、植民地時代の史資料収取先としてのポルトガル)でのフィールドワーク、聞き取り調査を実施する予定である。また、これに向けた調査項目および調査方法の検討、整理等最終調整を行う。本フィールドワークには、安全と資金の確保という2つの困難が付きまとう。特に後者については「現在の進捗状況」にも記した通りである。いずれにせよ、航空運賃(すでに助成額上限を超え、日本で認知可能な領収書の発行も見込めないアンゴラ国内移動費等を含めることは困難)とアンゴラでの宿泊費(仮に宿泊期間を大幅に圧縮した1週間程度に限ったとしても)のみで助成残額を大幅に超過する公算が大きく、多額の自己負担が現地フィールドワークに要されることは変わりない。しかしながら、2016年度内に継続的に行った学内ヒアリングの結果、宿泊費用については、アフリカ諸国一律の宿泊費適用となっている精算方法であるものの、「保安確保を要するため一定の安全レベルが得られる宿泊先をアレンジする場合、高額になってしまう場合はこの限りでない」という見解が得られたため、少なくとも航空運賃と宿泊費の一部は本助成から支弁できる方向性となったため、実施可能性はより高まった。
|
Causes of Carryover |
本年度(2016年度)は年度内に当該研究課題遂行に必須である海外(アンゴラ等)でのフィールドワーク、聞き取り調査等を遂行するための予算的見通し(本助成の費用配分および自費負担分の確保)が付かなかったが、次年度(2017年度)においては、一定の見通しが得られたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度(2017年度)は現地(アンゴラおよび比較対象としてのサントメ、赤道ギニア、植民地時代の史資料収取先としてのポルトガル)でのフィールドワーク、聞き取り調査等を実施するための旅費・宿泊費の一部として使用(ほぼ確実に発生するフィールドワークにともなう研究費不足分は自己負担)。
|