2015 Fiscal Year Research-status Report
フィンランドの大学における小学校英語担当教員養成システムに関する調査研究
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26370728
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
伊東 治己 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (90176355)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フィンランド / 小学校英語 / 教員養成システム / 小学校英語教科化 / 教科ジェネラリスト |
Outline of Annual Research Achievements |
フィンランドの大学における小学校英語担当教員養成システムに関する調査研究を進めるために、研究2年目となる平成27年度は、まず前年度に引き続き文献研究やこれまでの自身の研究結果の分析を通して、フィンランドの教員養成システムに関する理解を深めた。さらに,平成27年8月29日から9月4日にかけてユバスキュラ大学(教育学部と人文学部)を,平成28年3月5日から3月14日にかけて,東フィンランド大学(教育学部と人文学部)とタンペレ大学(教育学部と人文学部)を訪問し,小学校英語担当教員の養成に従事している研究者からフィンランドにおける教員養成システムに関する最新情報・資料を入手するとともに、附属小学校(ユバスキュラ大学とタンペレ大学)と地域の公立小学校(タンペレ市)を訪問し,英語授業を参観するとともに,教育実習に関して英語担当教員,教育実習担当教員,教育実習生への聞き取り調査を行った。 この間,昨年度および本年度に実施した現地調査の結果の集約する形で、①鳴門教育大学英語教育学会第30回大会での招待講演,②平成27年度関西外国語大学公開講座での研究発表,③北海道英語教育学会第16回研究大会での招待講演,④日本教科教育学会第41回全国大会での研究発表において、近年我が国においても緊急の課題となっている小学校英語担当教員の養成に関連させながら、研究成果の一部を発表し、科研費研究の成果の社会への還元を図った。 加えて,これまでの研究成果を「フィンランドにおける小学校英語担当教員の養成制度から学べること―教科ジェネラリストの育成―」という論文にまとめ,四国英語教育学会の研究紀要第36号に投稿した。採用となれば,平成28年11月に出版の予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の科研費研究の主題であるフィンランドの大学における小学校英語担当教員養成システムに関して、①文献研究や、②現地調査、ならびに③その結果を学会等で発表することをとおして、科研費研究の成果を社会へ還元することが、おおむね当初の予定どおりに遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間にわたる研究の最終年度にあたる平成28年度においては、過去2年間と同様、フィンランドの大学における小学校英語担当教員養成システムに関する文献研究をさらに深化させるとともに、フィンランドに赴き、現地調査を実施する。フィランドでの小学校英語担当教員の養成で大きな成果を上げていると評価されている大学のうち、初年度の平成26年度は、ツルク大学とオウル大学を訪問し,2年目の平成27年度は、ユバスキュラ大学,東フィンランド大学およびタンペレ大学を訪問したので,最終年度となる本年度(平成28年度)は,まだ訪問できていないヘルシンキ大学を訪問するとともに,これまでの調査研究の分析からさらなる調査が必要と考えられる大学を訪問し,学校教員養成、特に小学校英語担当教員の養成システムについての最新情報を入手するとともに、大学の研究者や附属学校等で教育実習の担当となっている小学校教員との研究協議や聞き取り調査を行う予定である。なお、現地調査は現在の勤務校および現地の大学の授業スケジュール等を考慮し、秋季(10月下旬)に1回だけ10日間程度の日程で実施の予定である。また、3年間にわたる研究の成果を最終研究報告書の形にまとめ、できれば「研究成果公開促進費」へ応募し、公刊したいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成27年度の現地調査を2016年3月5日から3月14日の日程で実施したため,航空運賃については事前に助成金から支出が完了しましたが,現地での宿泊費,日当,交通費等の支出が次年度への繰り越しの形になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度からの繰越金が83,112円発生していますが,平成28年度交付予定の800,000円と合わせて,平成27年度に完了していない現地調査の宿泊費,日当,交通費に対して支出を完了の予定です。なお,残額は平成28年度の秋期に予定しています現地調査の旅費の一部として使用する予定です。
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