2016 Fiscal Year Research-status Report
スピーキング能力測定に向けたロールプレイテストの開発と妥当性検証
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26370737
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小泉 利恵 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70433571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 真 琉球大学, 教育学部, 准教授 (00634429)
印南 洋 中央大学, 理工学部, 准教授 (80508747)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 言語テスティング / 英語 / スピーキング能力測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、授業中で実施可能なロールプレイテストを開発し、妥当性を確保しながら実施する方法を確立することが目的である。 英語スピーキング能力の育成のための指導には多くの時間が費やされているが、その評価は十分に行われていない。本研究では、ロールプレイテストのより適切な実施・採点方法を調べ、授業中に容易に実施できる評価方法を提案する。ロールプレイテストとは、学生同士で、カードで指定した役割で会話する形式で、採点の困難さから、授業での評価時にはあまり使われていない。本研究は、日本人大学生を対象に、5年間かけて関連要素の多くの側面から分析し、Chapelle, Enright, and Jamieson (2008) に基づいて結果を統合し、ロールプレイテストの妥当性検証として提示することを目的とする。 3年目である本年度は、第1に、学会や文献で最新の研究動向や先行研究について学んだ。 第2に、プレテストとポストテストとその間に3回形成的テストを数回受けた実験群と、プレテストとポストテストのみを受けた統制群のクラスを比較することにより、テストの再テスト法による信頼性と、形成的テストを定期的に受けることによる大学生への心理面への波及効果を調べた。その結果、総合的尺度を使ったときのテスト得点ではプレ・ポストテスト間で違いがなく、再テスト法による信頼性の高さが示された。心理面では、統制群では英語学習への動機づけが下がったのに対し、実験群では動機づけが保たれていた。これにより、形成的テストを授業で受けることにより、動機づけ減退を妨げる効果があることが示唆された。 第3に、今まで得た妥当性の証拠を、Chapelle et al. (2008)の枠組みに沿って整理し、包括的な妥当性検証のために今後必要な点をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに、研究動向や先行研究についての確認や、本調査の実施を行ったため。 具体的には、4月~3月に先行研究のまとめを行い、国内外の学会に参加し、情報収集を行った。本調査を実施し、その途中経過を9月の学会で発表することができた。次年度以降に予定している調査・分析の計画を開始することもできた。 そのため、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を効果的に進めるために、依頼可能な範囲の作業 (音声データや分析の整理) については、研究補助者に依頼する。効率が上がるだけでなく、複数の目が入ることで入力ミスなども防げ、研究の質向上に役立つと考える。 具体的には、ICレコーダーに録音した音声データをパソコンに移し、後で分析しやすいように整理、データの入力ミスがないか等の確認などを研究補助者に依頼する予定である。 すでに研究補助者の協力も取り付けてあり、実行開始が可能な状態になっている。
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Research Products
(23 results)