2014 Fiscal Year Research-status Report
英語教員の資質能力に関する研究-専門性規準・基準とグローバル・リテラシー育成
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26370741
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊東 弥香 東海大学, 外国語教育センター, 准教授 (20434201)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教員養成規準・基準 / グローバ・ルリテラシー / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「解釈主義的視点・枠組み」を用いて「大学の英語科教職課程で身に付けるべき力」に関する提言を目的とし,教職履修者のための「自己評価ポートフォリオ」試案完成を目指している。教職履修者の「学び」の実態を「質的に,長期的に」に探究するアプローチにより,「英語教員は何を,どのように学ぶのか」という教員の専門性と成長を「文脈的に」探求することを特徴とし,教員の専門性基準や教員養成スタンダードを策定している米国とオーストラリアという文脈における教職課程およびESL/TESOLプログラムが教師の専門性や成長,とくに「グローバル・リテラシー」育成にもたらす教育効果を検証していく。平成26年度は両国での調査を中心に進めた。 <米国> カリフォルニア州立大学ノースリッジ校(CSUN)教育学部のMira Pak博士の協力を得て,教職履修生と大学院生(修士)を対象に「英語教員の資質能力に関するアンケート(Professional Competences of English Language Teachers)」を実施した(12月~3月)。 <オーストラリア> ウロンゴン大学(UOW)教育学部のMark Fraser博士の協力を得て,2度訪豪した(8月と3月)。1回目は「AILA (国際応用言語学会)2014」(ブリスベン)にて研究発表後に,UOWでの調査打ち合わせ,同学区の小学校の視察調査(マウント・ケイラ小; MKDS,フェアリー・メドウ小; FMDS,へレンズバーグ小)を行い,大学と教職履修生受入校との連携の実態について学んだ。2回目は,①UOW(打ち合わせ,教職科目ESL授業見学,教職履修生インターンシップ視察),②FMDS(校長インタビュー,授業見学―ESL,リテラシー,数学),③MKDS(授業見学―リテラシー,テクノロジー)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
米国とオーストラリアでの調査(アンケート,インタビュー)の実施が遅れているため,データ収集と分析が計画通りに進まなかった。 平成26年度計画において,「調査対象国における情報提供者と研究参加者のデータ収集を行う(10月~1月)」「グローバル・リテラシーに焦点をあてた自己評価ポートフォリオのチェック項目を精査する(10月~1月)」を予定していたが,米国,オーストラリアともに,「人を対象とする研究書面審査(Human Subject Protocol)」の申請手続きと許可ために想像以上の長い時間を要した。CSUNとUOWそれぞれに,研究代表者の所属校(東海大学)における審査許可を前提条件とし,審査書類と許可書の全英訳を含めた書類提出,および各校独自の審査手続きを求めたためである。本務校での審査許可については,本研究の採択(4月)後に手続きを開始しため,許可が下りたのが8月であった。 <米国> CSUNは2学期制であり,秋学期開始が8月となっている。秋学期の教職履修者・院生(修士)を対象として調査を行うために,CSUN倫理委員会(Internal Review Board)に対して申請手続きを行い,11月に許可が下りた。その上で,上述の「英語教員の資質能力に関するアンケート(Professional Competences of English Language Teachers)」を実施した(12月~3月)。 <オーストラリア> UOWも2学期制であるが,春学期(7月~12月),秋学期(2月~7月)である。UOWの秋学期に調査を進めるために計画の修正が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
オーストラリアでの調査(アンケート,インタビュー)を進め,米国,日本における教職履修者の「学び」の実態に関するデータ分析を行う。同時に,「グローバル・リテラシー」に関する文献調査と先行研究をまとめ,データ分析・考察のための理論的フレームワークを確立する。 ①教員の専門性基準や教員養成スタンダードと「グローバル・リテラシー」に関する文献件調査と先行研究をまとめる。 ②調査対象国(米国,オーストラリア,日本)における情報提供者と研究参加者のデータ収集・集計・分析を行う(アンケート,インタビュー,エスノグラフィー)。オーストラリアについては,Fraser博士が教職履修生(UOW)および小学校教員(MKDS,FMDS)を対象にインタビューとエスノグラフィーを行う計画としている。 ③グローバル・リテラシーに焦点をあてた「自己評価ポートフォリオ」のチェックリスト項目を精査(試案1作成)し,パイロット調査を(日本の)教職履修生に対して実施する。 ④関連学会や研究会(英語教育,教師教育)に参加し,研究の進捗状況を発表する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に計画していたデータ収集・分析に関わる人件費・謝金を繰り越しとした(次年度使用額)。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度使用計画において,直接経費合計(1,200,000円)に対して,実支出額(884,223円)であった。差額(315,777円)を繰越し金として,①データ処理(入力,集計),②データ分析のための専門的知識提供,③調査協力のための人件費・謝金に充てる。 平成27年度使用計画は,直接経費合計(1,200,000円)に対して,物品費(50,000円),旅費(720,000円),人件費・謝金(390,000円),その他(40,000円)を計画しているため,人件費・謝金は「自己評価ポートフォリオ」試案1のパイロット調査施行のために使用予定である。
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Research Products
(4 results)