2015 Fiscal Year Research-status Report
CEFR上位者のビジネス・プレゼンテーションのストラテジー調査と検証法の確立
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26370743
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
中谷 安男 法政大学, 経済学部, 教授 (90290626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 諭 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (20589254)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CEFR / 国際ビジネス / ビジネスプレゼンテーション / コミュニケーション・ストラテジー |
Outline of Annual Research Achievements |
企業の代表者の英語スピーチを取集した発話データを活用した。当該研究に関係するビジネ関連の話題についての99人分のスクリプトを基にコーパスデータを構築できた。このデータと、米国英語の書き言葉を集めた代表的なコーパスであるFLOBコーパスを参照コーパスとして比較し、英語ビジネスプレゼンテーションに特徴的な語彙を調査した。方法としては、コーパス分析ソフトウェアによるKeyword 分析で検証し、英語プレゼンテーションにおける特徴語を抽出した。一般英語であるFLOBコーパスに比べ、ビジネスプレゼンテーションで特に多用されるのは、ビジネス関連語彙より、人称代名詞のYou, We, I などであった。これは既存の研究では確認されていない新たな発見といえる。またこれらの語彙のクラスターを追加検証し、特徴的な句や節も抽出することができた。 さらに、聴衆との交渉で有効となるCSの使用頻度やテキスト上の位置を確認できた。この中でメタディスコースや、緩衝表現の特徴的な使用方法を確認し、ビジネスで一流の実績のあるスピーカが実際に使用する言語事象が、ある程度明らかになってきた。 以上の結果をインタビュー結果と比較し、概念的に認識しているCSと,実際に使用されているスクリプト上のCSを相互に検証することができた。この結果、初期の質問項目として適切なものを作成できた。 これらの成果を国際ビジネスコミュニケーション学会全国大会で発表し、学術誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
企業の代表者の英語スピーチのスクリプトを当初は50人分をコーパス化する予定であったが、99人分のコーパスデータを収集できた。 英語プレゼンテーションにおけるCSの使用頻度やテキスト上の位置をコーパス分析ソフトウェアで検証した結果、先行研究では言及されていなかったCSを新たに抽出することができた。またこれらをインタビュー調査の質的データと検証することで研究の信頼性や妥当性を高めることができた。 また、明確な成果としてこれらの成果を国際ビジネスコミュニケーション学会全国大会で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに抽出したCS使用の質問項目を基に予備の調査紙を作成する。これを精査しリカートタイプの質問紙として100名の被験者に調査の依頼をする。各項目に関して,1-5段階でCS活用の頻度を回答してもらう。因子負荷量の低い項目や共通性に影響を与えない項目を削除し,調査項目の累積寄与率と信頼性係数を高めるように最終質問項目を選定していく。完成されたものを国際ビジネスパーソンに回答してもらい因子分析を行う。 最終的にプレゼンテーションで有効なCSの因子をまとめ,完成度の高い調査用紙である Business Presentation Strategy Inventory (BPSI)を構築する。
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Causes of Carryover |
当初予定していたインタビュー調査がキャンセルとなり使用額に差が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施できなかったインタビューを必ず行い、使用する予定である。
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