2014 Fiscal Year Research-status Report
国際主義知識人のトランスナショナル・ネットワークと戦間期アジア太平洋国際関係
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26370756
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 佳絵(高光佳絵) 千葉大学, 人文社会科学研究科, 助教 (10334591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家近 亮子 敬愛大学, 国際学部, 教授 (10306392)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 岩永裕吉 / 満州国「承認」 / 王立国際問題研究所 / 太平洋問題調査会 / ロイター / 蒋介石 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、国際的民間団体「太平洋問題調査会」イギリス支部の関連史料を収集するため、British Library, London School of Economics, Reuter Archives, Cambridge University, National Archivesにおいて調査を行った。収集した史料の一部を利用して、「戦前期の松本重治と上海におけるイギリス帝国ネットワーク」と題して日本国際文化学会(山口県山口市)で報告し、「国際主義知識人のトランスナショナル・ネットワークと満洲問題」を『史学雑誌』に発表した。イギリス支部は、対米協調の手段として設立されたが、満洲事変以降、短期的な成果が見込めないことで見切りをつけた一部のビジネス関係者が日英協調のためにネットワークを活用したことを明らかにした。このことは、第二次世界大戦勃発以前の段階で、「太平洋問題調査会」が国家間関係と直接的な接点を持っていたことを示した点で重要な意義があり、イギリス支部内の対立状況と外交路線の連関を明らかにした点でも今後の研究に資するものである。また、国際政治と国際交流の関係をいかに論じるべきかというテーマで研究会(10月24日)を企画し、2名の講師を招いて検討を行った。 研究分担者は、蒋介石の「太平洋問題調査会」およびYMCAとの関係を示す史料を収集するため、ミャンマー、台湾、京都における調査を実施した。また、本科研と基盤B「20世紀中国の政策決定過程における『世論』要因の分析(代表:家近亮子)」との共催による2度の研究会(7月11日、11月22日)を企画し、中国世論を含む国際世論に関する考察を深めることに貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イギリスでの調査は順調に行われ、すでに一部を分析した成果を口頭発表、論文掲載へとつなげている。3回の研究会の開催により、共同研究の基盤も確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
イギリス、ミャンマー、台湾で収集した史料の分析を進める一方で、アメリカ、台湾での史料収集をすすめる。前年度に収集した史料の検討を共同で進めるため、2~3回の研究会を開催し、次年度の学会報告に向けての準備を行う。また、中間報告として、IPR研究会においてパネルを企画し、報告する。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通り執行したが、少額の端数が生じ、次年度に有効活用を図るため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
史料複写費に充当する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 中華思想と中国の政治2014
Author(s)
家近亮子
Organizer
佐倉国際文化大学講演会
Place of Presentation
佐倉国際文化大学(千葉県佐倉市)
Year and Date
2014-07-19 – 2014-07-19
Invited
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