2015 Fiscal Year Research-status Report
国際主義知識人のトランスナショナル・ネットワークと戦間期アジア太平洋国際関係
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26370756
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 佳絵 (高光佳絵) 千葉大学, 人文社会科学研究科, 助教 (10334591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家近 亮子 敬愛大学, 国際学部, 教授 (10306392)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Jerome Greene / 岩永裕吉 / Christopher Chancellor / 蒋介石 / ソ連IPR / 太平洋問題調査会 / 非政府組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2回の研究会を開催した。第1回は、これまでのそれぞれの調査結果を分析し、5月に早稲田大学において、研究代表者の高光佳絵は「岩永裕吉と中国をめぐる日英米関係」、家近亮子は「中国IPRと国民政府の対応」と題して研究発表を行った。 第2回は、ロシア政治史の専門家に講演を依頼し、ソ連IPR関連史料についてアドヴァイスを受けた。これまでロシア語史料に依拠した太平洋問題調査会(IPR)研究は皆無であったが、ソ連公文書に記録があることが明らかになり、ソ連政府の関与を跡づけることができた。 また、高光は、アメリカ政府内の「対日強硬派」形成過程とIPRの関係、1940年代にアメリカ政府の要職に就いたアメリカIPR関係者が戦後秩序形成に与えた影響を明らかにすることを目的として、米国(ワシントンDC、ボストン)における史料調査を行った。ワシントンでは米国立公文書館において国務省の「太平洋問題調査会」関連文書を収集し、議会図書館において同調査会に関係していたフィリップ・ジェサップ、ロイ・ハワード文書を調査した。また、ボストンにおいてはハーヴァード大学公文書館でジェローム・グリーン文書、同ホートン図書館でジョセフ・グルー文書を調査した。前年度のイギリスにおける史料調査の成果については、日本国際政治学会年次大会(仙台国際センター)で発表した。 家近は台湾において蒋介石の中国IPRへの関与を明らかにする史料の収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料調査を行う場所は、効率を考えて、適宜調整しているが、全体としておおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年は、本プロジェクトの中間報告としての学会報告を予定している。引き続き、ソ連IPRの解明を行い、国際連盟・国際労働機関などの国際組織との関係も検討する。また、太平洋問題調査会が創設され、1934年まで本部が置かれていたハワイにおいて史料調査を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していなかったハワイにおける史料調査の必要が生じたため、次年度に調査が可能になるよう、物品費とうの使用を抑制したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ハワイにおける史料調査に研究協力者を帯同する費用の一部に当てる。
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