2014 Fiscal Year Research-status Report
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26370762
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒田 智 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70468875)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歴史図像学 / 日本中近世史 / 宝物コレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、基礎作業が中心であった。『豊臣御数寄屋記録』について、東京大学史料編纂所所蔵謄写本の閲覧と確認作業をすすめた。また近世の画譜類や近代の売立目録等を参考にしながら、国立国会図書館、早稲田大学図書館等の研究機関にて調査を行ない、データベース等の各種検索システムを利用するなどして、同史料に掲載された絵画作品を中心に現存作品との照合作業を行ない、伝来等の情報収集にとりかかっている。 また、所収作品のなかでも「尊氏馬上図」をとり上げ、足利尊氏甲冑騎馬肖像画と15世紀後半の甲冑騎馬肖像画に関する口頭発表、論文執筆を行なった。これに関連して、17世紀の甲冑肖像画である「本多忠勝像」の制作背景について民衆史研究会大会にて報告し、論文を執筆した。さらに、16世紀の天皇・天下人の宝物コレクションについて論じる予定の『天皇の美術史』(吉川弘文館)について、執筆準備を進めつつある。 そのほか『仏教文明と世俗秩序』(勉誠出版)、『歴史の「常識」をよむ』(東京大学出版会)、『日本美術全集』(小学館)、『日本「文」学史をひらく』、『里山の環境人文学』等に中世肖像画関連の調査と論文執筆を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎作業はおおむね当初、予定していた主要な絵画作品について確認済みである。ただし、初年度に予定していた『豊臣御数寄屋記録』の全文翻刻を学術雑誌・紀要等に掲載できなかった。全文の確認作業に万全を期した上で、できるだけ早い掲載を目指したい。
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Strategy for Future Research Activity |
『豊臣御数寄屋記録』の公表を最優先の課題とする。引き続き、主要作品の照合作業をすすめながら、データベース作成のための準備をすすめることにしたい。豊臣コレクションの分析をもとに、『天皇の美術史』(吉川弘文館)を執筆するほか、数本の論文執筆、掲載を予定している。
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Research Products
(10 results)