2014 Fiscal Year Research-status Report
先駆的英国人日本学者による国学の受容と評価に関する発展的研究
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26370768
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
乕尾 達哉 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30164065)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アストン / サトウ / 国学 / 蔵書目録 |
Outline of Annual Research Achievements |
①英国ロンドン市の国立公文書館において、Satow Papersのうち、サトウの日記をデジタル・カメラによって撮影し、画像をUSBメモリに保存した。 ②同国ケンブリッジ市のケンブリッジ大学図書館において、「アストン和書目録」登載の国学著作と当館所蔵アストン・コレクション中の国学著作との照合・書き込み調査を行い、書き込み箇所をデジタル・カメラによって撮影し、USBメモリに保存した。 ③同上ケンブリッジ図書館において、サトウの編にかかる各種蔵書目録16点をデジタル・カメラによって撮影し、USBメモリに保存した。具体的には、「蔵書目録」「蔵書目録」「サトウ蔵書目録」「サトウ蔵書目録」「薩道蔵書之内戯作洒落及中本随筆寓言之類并ニ黒色帙入等之書籍目録」「目録」「日本寛永以前古版書籍之目録」「物語及草紙日記ノ部・ 和歌并紀行類の部」「物語及草紙日記ノ類旧目録ニ有之テ現ニ書籍見アタラヌ分」「朝鮮版書籍目録」「朝鮮版書籍目録順序次第ノ甫稿」「英国送リ日本古版書籍番号順次目録」『英国二贈る書籍ノ目録」「神戸送リ仏経ニ関スル仮文ノ書籍目録」「王堂君エ贈致スル書籍目録」「王堂蔵書中無之分」「List of Japanese Books]である。以上により、サトウが日本において国学著作のみならず、広汎な和書を蒐集していたことが明らかになった。その多くが後年アストンに貸与(譲渡)されたことから、上記の各種蔵書目録の記載と「アストン和書目録」の記載とを照合することによって、アストンの和書の構成が従来より詳細に知られることが期待され、本研究の基盤がより強化される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ケンブリッジ大学図書館所蔵アストン・コレクション中の国学著作にはアストンまたはサトウによる夥しい書き込みが見られ、先駆的英国人日本学者たちが国学著作を冷静に評価し、その研究成果を自らの著作に取り入れようとしたことが明らかになりつつあり、またサトウの各種蔵書目録の内容検討により、「アストン和書目録」の研究の一層の進展が期待できるから。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的にはこれまでの研究方法を維持するが、ケンブリッジ大学図書館所蔵のアストン・コレクションは膨大な量に上り、1日の借り出し点数も5冊までと限定されているので、国学著作の書き込み調査は予め対象を絞って実施する必要がある。
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