2017 Fiscal Year Annual Research Report
Progressive Study on Reception and Evaluation of Kokugaku by the pioneer British Japanologists
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26370768
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
乕尾 達哉 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (30164065)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アストン / サトウ / 国学 / 蔵書目録 |
Outline of Annual Research Achievements |
①横浜市の横浜開港資料館において、先駆的英国人日本学者関連の資料を調査し、必要箇所を複写した。 ②英国ロンドン市の国立文書館において、サトウの日記をデジタルカメラによって撮影し、USBメモリに保存した。 ③同国ロンドン市の大英図書館において、アストン旧蔵の大日本史、和漢朗詠集を調査し、その受入れ印記から「近松27戯曲」(近松浄瑠璃本)と同じく、1912年10月12日、遺産管財人によってケンブリッジ大学図書館ではなく、大英博物館に寄贈(売却)されたことを確認した。アストンの遺志によるものであろうが、アストンの盟友であるサトウやアンダーソンらがその蔵書の多くを大英博物館に寄贈したことと関係があるだろう。 ④同国ケンブリッジ市のケンブリッジ大学図書館において、八種画譜、平家物語、竹取翁物語解、日本昔噺、萬葉集略解、神字日文伝、字音假字用格、漢字三音考、標註古語拾遺、詞捷径などアストン旧蔵およびサトウ旧蔵の和書に見られる書き入れを精細に調査し、必要箇所を撮影して、USBメモリに保存した。このうち、アストン旧蔵の日本昔噺にはアストンが「死後はサトウにかたみとして寄贈する」旨の英文メモが残されており、いったん諸他の蔵書とともにケンブリッジ大学図書館に寄贈されたが、このメモに従ってサトウに譲渡され、さらにサトウから改めて当図書館に寄贈された経緯が明らかになった。アストンとサトウとの緊密な盟友関係を示唆するものである。
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