2016 Fiscal Year Research-status Report
東北地方における戦国大名の権力構造に関する研究―伊達氏を中心に―
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26370772
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
遠藤 ゆり子 淑徳大学, 人文学部, 准教授 (70612787)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中世史 / 戦国時代 / 東北 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦国時代における伊達氏の権力構造、伊達氏の内政・外政の実態把握、東北地方の戦国大名・国衆の特色を明らかにすることを目的とするものである。 本年度は、まずは昨年度に引き続き、戦国時代の伊達氏関係史料が比較的多く掲載されている県・市・町村史といった自治体史、報告書などから、関係史料を検索・抽出し、整理する作業を行った。次いで、対象地域を東北地方全体に広げて主な自治体史を調査し、関係史料を収集した。その上で、各史料の基本的な情報(発給年月日・発給者名・受給者名・文書名・所蔵先・所収刊本名など)を抽出し、データベースを作成する作業を進めた。また、当該研究に関係する文献についても調査し、必要なものについてはコピーをとったり、データを収集し、研究状況の把握に努めた。 以上の調査・研究をふまえ、本年度は次の成果をまとめることができた。一つは、伊達氏と上杉氏の外交関係に注目し、両者間の関係史料を収集・整理し、その実態を追究したことである。これについては、伊達晴宗以降の問題に限定して、米沢市上杉博物館において講演「米沢時代の伊達氏と上杉氏」を行った(2016年11月9日)。もう一つは、伊達氏の内政を考察し、特に長井荘の支配についてまとめ、「伊達領国下の置賜地方―戦国時代の長井荘と村落―」(米沢市上杉博物館編『開館15周年記念特別展 伊達氏と上杉氏―舘山城跡国史跡指定記念―』同館、2016年、p.113-120)を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定していた自治体史・報告書等の史料集から、関係史料の収集・整理、データベースの作成を行うことについてはほぼ終了し、次年度に予定していた分についても作業を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで同様、関係史料の収集・整理、データベース化を進めていく。また、これまでのデータベースの内容を確認し、精度を上げることにも努めたい。それと並行して、重要な原史料や未翻刻史料の所蔵先を把握し、調査を実施していきたいと思う。
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Causes of Carryover |
予定していた史料所蔵機関が、本年度も調査を予定していた時期に修築工事のため閉館しており、調査を実施することができなかった。そのため、当初想定していた使用額に満たず、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度も、調査を希望している史料所蔵機関で長期修築工事を行うということなので、時期を調整しながら調査を実施していきたい。
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Research Products
(1 results)