2017 Fiscal Year Research-status Report
東北地方における戦国大名の権力構造に関する研究―伊達氏を中心に―
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26370772
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
遠藤 ゆり子 淑徳大学, 人文学部, 准教授 (70612787)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中世史 / 戦国時代 / 東北 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦国時代における伊達氏の権力構造、伊達氏の内政・外政の実態把握、東北地方の戦国大名・国集の特色を明らかにすることを目的とするものである。 本年度は、まずは引き続き、戦国時代の伊達氏関係史料が掲載されていると思われる東北地方の県・市・町村史といった自治体史、報告書などから、関係史料を検索・抽出し、整理する作業を行った。その上で、各史料の基本的な情報(発給年月日・発給者名・受給者名・文書名・所蔵先・所収刊本名など)を抽出し、データーベースを作成する作業を進めた。 また、未翻刻の伊達氏関係史料についても調査を行い、史料の閲覧・撮影、およびマイクロフィルム写真の入手をすることができた。 当該研究に関係する文献についても調査し、必要なものについては収集して研究状況を把握した。本年度は、これまで収集した文献をもとに、伊達氏の研究史を整理することにも努めた。その成果については、来年度に報告する予定である。 以上の調査・研究を踏まえ、本年度は次の成果をだすことができた。一つ目は、「『伊達天正日記』所収『野臥日記』の一考察―政宗による民衆の軍事動員を考えるためにー」(『市史せんだい』Vol.27、仙台市、2017年、p,23-49)において、戦国段階における伊達氏の軍事動員の在り方を知る手掛かりとなる、史料の紹介と分析を行ったことである。二つ目は、伊達政宗の生誕450年目を記念したシンポジウムにて、報告「戦国時代の村・町支配」を行ったこと(9月23日、淑徳大学にて開催)である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、データベースの整理を行うとともに、それらを基に分析を進めることができた。また、当初の研究では予定していなかった、伊達政宗生誕450年を記念するシンポジウムが各所で開催されたことで、その報告に関わる課題について研究を推進することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに作成したデータベースの内容を確認し、精度を上げることに努めたい。その上で、可能な範囲でデータベースを公開できるようにしたいと思う。 また関係する未翻刻史料については、調査を行い収集し、史料紹介をすることとしたい。 平成30年度は最終年度であるため、これまでの研究成果を発表する機会を設ける予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)一昨年、調査を予定していた史料所蔵機関が、修築工事のために一時期閉館することとなり、調査を実施できず、繰越金が多かった。平成29年度も、同機関が1~3月に閉館を予定していたため、早めに調査を実施したが、あまり調査日程を確保することができなかった。そのため、旅費・人件費が残り、使用額が予定よりも少なかった。
(使用計画)平成30年度は、早めに調整をし、調査を実施していきたい。また研究の成果公開に向けた準備作業で、人件費も多く必要となるので、こちらも計画的に進めていきたい。
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Remarks |
青森県史編さん通史部会編『青森県史 通史編1 原始・古代・中世』(青森県、2018年)のうち、第九章第二節の「北奥の戦国争乱」(p,621~666)を執筆した。
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