2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370777
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
遠藤 慶太 皇學館大学, 研究開発推進センター, 准教授 (90410927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 美行 皇學館大学, 研究開発推進センター, 教授 (60213203)
毛利 正守 皇學館大学, 文学部, 教授 (70140415)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 古代史 / 史料学 / 古写経 / 寺院縁起 / 資財帳 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者・遠藤慶太は1年間本務校を離れ、国立歴史民俗博物館の外来研究員として関東を拠点とし研究活動を推進した。研究第一年目は「聖経と寺院縁起」に重点をおいて研究を進め、宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・西尾市岩瀬文庫などの諸機関において史料調査・写真収集を行った。平成26年11月30日には国立歴史民俗博物館において第1回研究会を開催し、遠藤が古代写経の識語(銘文)・堀越光信(四日市市立博物館・研究協力者)が「多度神宮寺伽藍縁起并資財帳」について研究報告を行った。なお研究会にあわせて歴博で開催中の国際企画展示「文字がつなぐ 古代の日本列島と朝鮮半島」を観覧、出陳中の「大安寺資財帳」や和銅五年長屋王願経などの奈良時代写経を熟覧し、史料上の問題について参加者相互の知見を交換することができた。 このほか歴博所蔵の奈良時代写経を熟覧調査できたことも大きな収穫で、識語を記す仏典そのものへの理解が深まった。その成果の一端は、韓国・成均館大学ブレインコリア21(平成26年11月8日)・早稲田古代史研究会(平成26年11月26日)・明治大学古代学研究所(平成27年1月9日)などで口頭発表を行い、日本古代史・考古学や韓国の研究者などから貴重な意見を得ることができた。 そしてこれらの成果をもとに奈良時代写経の識語を集成、識語に関する研究論文や語句索引を増補した基礎データの整備につとめた。このデータは先行して刊行物の形態で公開することにし、『上代写経識語注釈』として平成27年度の日本学術振興会学術図書出版助成に応募をした(この申請は平成27年4月に採択)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者である遠藤が本務校を離れ、関東・東海ふたつの研究拠点を行き来しながら研究調査を推進したことは、研究者間の交流や史料調査の面で便宜があった反面、研究代表者と研究分担者の間で平行して進められた研究活動やその成果共有の点において工夫が必要であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
『續日本紀史料』掲載の史料より、綱文を立てた史料(優先順位の高い史料)を抽出、解題執筆に進む。手始めに遠藤が「経典類奥跋」について解題原案を作成する。堀越光信は「多度神宮寺伽藍縁起并資財帳」「日本紀略」「扶桑略記」について執筆する。 次いで「国史編纂」をテーマとし、細井浩志(活水女子大学)・河内春人(立教大学ほか)・関根淳(富士見丘学園)・遠藤慶太の4名を中心にシンポジウムを開催する。日程は平成27年8月23日(日)、会場は皇學館大学とする。 また『上代写経識語注釈』を平成27年度中に刊行し、本書の成果を以って解題の内容の充実をはかる。
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Causes of Carryover |
研究代表である遠藤慶太が国立歴史民俗博物館(千葉県)において開催した研究会で参加者が急遽変更になり、計上していた旅費の齟齬が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額を次年度開催予定のシンポジウムに参加を要請する研究者の旅費に充てたい。
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Research Products
(12 results)