2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of historical materials of the 8th century, mainly Shoku Nihongi
Project/Area Number |
26370777
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
遠藤 慶太 皇學館大学, 文学部, 教授 (90410927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 美行 皇學館大学, 研究開発推進センター, 教授 (60213203)
毛利 正守 皇學館大学, 文学部, 教授 (70140415) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 古代史 / 史料学 / 六国史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究事業の第四年目は『續日本紀史料』(皇學館大学研究開発推進センター史料編纂所編、昭和62~平成26年)で綱文として採用した史料を選び、前年同様に遠藤慶太・荊木美行で分担執筆した解題原稿の統一作業に取り組んだ。 2015年8月に皇學館大学佐川記念神道博物館で開催したシンポジウム「国史編纂」については、その報告・質疑内容について再検討を進め、河内春人・関根淳・細井浩志各氏とともに『日本書紀の誕生』(八木書店、2018年5月、522頁)として刊行することができた。本書はシンポジウムでの報告者(専門は日本史学)のほかに、文学・言語・思想で活躍する研究者に論文執筆を依頼し、幅広く人文科学の領域を網羅して『日本書紀』研究の現在を示すことができた。これは『續日本紀史料』編纂で培った知見にもとづいて史料批判の方法をいっそう深め、より複雑な史料構造をみせる『日本書紀』を読解する指針を示したことになる。本研究事業での研究成果を具体的に示し、学界に寄与できるものになったと思う。 また2018年11月30日に〈律令研究の現在 日中の視点からの展望〉と題し、古代の法典やその編纂をテーマとした国際研究会を開催した(皇學館大學人文學會と共催)。報告者として服部一隆氏(明治大学兼任講師)、徐世虹氏(中国政法大学法律古籍整理研究所)を招き、それぞれ「大宝令の編纂」「秦漢法律編纂簡論」との報告後、荊木美行の司会・吉村昌之氏の通訳で質疑を行なった。日本側での律令編纂の方針・中国で法律文献が発掘によって出土する理由など質問が相次ぎ、研究者や大学院生などが参加、古代の法典やその編纂をめぐって最新の知見をうかがうことができた。日本の文献史料を中心に展開してきた本研究事業を国際的にも位置づけ、直に成果を発信するうえでも有意義な機会となったと思われる。
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