2015 Fiscal Year Research-status Report
中世から近世における神仏習合の新研究-八幡宮寺の神事と仏事-
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26370783
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
鍛代 敏雄 東北福祉大学, 教育学部, 教授 (90269291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 寺社 / 神仏習合 / 祭祀儀礼 / 神国思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「中世から近世における神仏習合の新研究-八幡宮寺の神事と仏事-」に関する調査・研究における平成27年度の進捗状況は計画通り順調であり、研究目的に即応した成果をあげることができたものと考える。研究計画調書の研究計画・方法に明記した通り、平成27年度の研究計画は本研究課題の「展開的な研究」に位置づけられている。当該の調査・研究は、A・B・Cの3班に組織された研究代表者と研究調査協力者との連携によって推進された。ここに平成27年度の研究成果をまとめておきたい。すなわち、A班は、石清水八幡宮所蔵の神仏習合関連史料としてもっとも重要と思われる「宮寺縁事抄」を調査する過程で、東京大学史料編纂所編『大日本古文書』に未収録の紙背文書「目録」(鎌倉前期)を新たに発見した。この新出史料については、研究代表者が近く学会報告する予定である。B班では、東大寺の鎮守八幡宮である手向山八幡宮の中世から近世にいたる未翻刻史料の撮影・調査が実施され、神仏習合祭祀の執行実態を場所と機能を中心に新たに復元できた。C班は東寺八幡宮関連の古記録や古文書のなかから神仏習合祭祀を悉皆調査するなかで、石清水八幡宮と東寺との僧侶の人的交流を発見することができた。本研究課題に関するこのような調査・研究の成果に鑑みれば、平成28年度へと連続する調査・研究のさらなる成果が期待される。平成27年度に撮影・調査した史料については、未翻刻の史料が多く、翻刻紹介のためには原本確認を含めて相当の時間を必要とするであろう。したがって、本研究課題に密着した史料に絞って史料紹介の準備を行い、新たな史料群に関しては、目録を作成して情報を広く提供したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の研究計画・方法が順調に進捗しており、斯界に寄与し、一般に貢献するであろう新出史料の発掘と、史料紹介の基盤などが整い、研究成果があがった点を理由としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、主に平成26年度が「基盤的な調査研究」、平成27年度が「展開的な研究」、平成28年度が「集成的な研究」と位置づけられている。したがって、これまでの研究を集成して、その研究成果を公開するための調査・研究を推進してきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本研究課題の研究計画および方法に鑑み、最終年度は研究成果を集成し、より正確に公開するため、現地の原本調査を徹底する必要がある。とくに奈良および京都への出張研究旅費分を繰り越した点を理由とする。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究課題の平成28年度(最終年度)の経費については、研究成果の集成と公開のための調査・研究を推進するため、その1に史料の原本所蔵先への出張旅費にあてたい。その2は、成果報告書を作成するために使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)