2014 Fiscal Year Research-status Report
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26370800
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
新井 勝紘 専修大学, 人文科学研究所, 参与 (40222707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 龍一 専修大学, その他部局等, その他 (30645916)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本史 / 戦争 / 学徒出陣 / 大学 / 戦没 / 軍事教練 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文系私立大学における学徒出陣の実態の解明を目的としている。そのため、平成26年度は、ご存命の戦争体験者に対するアンケート調査および聞き取り調査を主として行った。対象とした文系私立大学は専修大学である。専修大学は明治13年(1880)に経済・法律の専門教育を行う高等教育機関として誕生し、現在に至るまで文系総合大学として存続している大学であり、戦時中はもちろん、設立依頼、一度も理系学部を設置していないことから、本研究において最も適任と考えた。 アンケート調査は専修大学卒業生(大学部・専門部問わず)67名に対して発送し、返信いただいたのは32名であった。聞き取り調査に関しては、アンケート返信者から聞き取り調査に協力しても良いと返事をいただいた方々のうち、まずは15名に対して行った。なお私立文系大学出身者の戦争体験を調査する意味でも、学徒出陣者はもちろん、卒業後や入学前に戦争を体験した方々も対象とした。日時・場所・対象者の一覧は『専修大学史紀要 第7号』(平成27年3月刊行)に掲載してある。 この聞き取り調査のために、神奈川県・千葉県・静岡県・長野県・福岡県・佐賀県・三重県・岐阜県・愛知県へ出張した。聞き取りについてビデオおよびICレコーダーにて記録し、一部は反訳して『専修大学史紀要 第7号』に掲載した。 そのほか、26年度の研究実績としては、専修大学に残っている「学徒動員名簿(入営部隊々簿)」ほか、戦時期の資料調査および入力作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査については67名に実施、聞き取り調査については、計15名に対して実施ということで、予定通り進んでいる。また学内作成文書、文部省からの通達文書などを含む専修大学が所蔵する戦時期の資料調査も概ね順調に進んでおり、翻刻入力作業も一部行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、昨年に引き続き、戦争体験者に対する聞き取り調査をできるだけ実施する。あわせて平成26年度に行った聞き取り内容の反訳作業を行う。そのほか「学徒動員名簿」の調査・分析も昨年度に引き続き行っていく。とくに戦没者に関しては厚生労働省での調査が必要である。同省で把握している戦没者の記録と名簿に記載された学生名との照合を行う必要性がある。また靖国偕行文庫は戦没者に関する資料を数多く所蔵しているので、同文庫の調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度使用額に差額が生じた大きな要因は「人件費・謝金」として支払う予定の額が当初の予定より少なかったためである。資料整理および翻刻作業などのためにアルバイトを3名ほどお願いしようとしていたが、適当な人物がおらず、1名のみとなったことがその理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は聞き取り調査を10~15名ほどに対して実施する予定である。そのための費用(旅費・宿泊費ほか)を計上する。また資料翻刻および整理作業、聞き取り調査内容のテープ起こし、韓国人戦争体験者の体験記の翻訳などのための人件費を計上する。そのほか研究に必要な資料や機材の購入費用を計上する。
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Research Products
(3 results)