2015 Fiscal Year Research-status Report
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26370800
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
新井 勝紘 専修大学, 人文科学研究所, 参与 (40222707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 龍一 専修大学, 大学史資料課, 次長 (30645916)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本史 / 戦争 / 学徒出陣 / 大学 / 戦没 / 軍事教練 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、私立文系大学における学徒出陣の実態を明らかにすることである。そのため、できるだけ多くの体験者の生の声や残した文章を収集、または所在情報を集めることに力点を置き、調査を進めてきた。この方針に沿って、平成27年度も学徒出陣を体験した生存者の方々への聞き取り調査を行った。今年度もその対象とした大学は専修大学である。戦前の専修大学は経済学・法学などの社会科学系のみの文系大学であり、立地的要因から他の私立大学、例えば法政・日本・明治大学とも教員・学生を含めて交流が深く、同時に通っていた学生もいたことが、その理由である。 聞き取り調査の対象者や実施場所・日時については、『専修大学史紀要 第8号』(平成28年3月 専修大学大学史資料課 刊行)に記載した。聞き取り調査については、ビデオおよびICレコーダーで録画・録音した。その内容について、反訳作業を同時に進めている。 そのほか、平成27年度の調査・研究実績として、展示および資料集の刊行が挙げられる。平成27年11月6日(金)~12月5日(土)にかけて、専修大学生田キャンパス9号館1階エントランスホールにて、「戦後70年記念展 専修大学と戦争~ペンを銃にかえて~」を実施。また平成27年10月30日には、『専修大学史資料集 第七巻 専修大学と学徒出陣』を刊行した。ともに本研究における調査内容の一部を反映したものである。 さらに、専修大学が所蔵する学徒出陣関係資料の調査を昨年に引き続き行った。その調査の成果の一部を『専修大学史紀要 第8号』に「研究ノート」として掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は前年度同様、聞き取り調査を行った。東京近郊在住の方へはもちろん、広島・島根・長野にも出向き、計16名の方に当時の様子や心情などを語っていただくとともに、当時の写真や資料などを見せていただいた。そのほか専修大学が所蔵する学徒出陣関係文書の調査を行うとともに「学徒動員名簿」の分析を行った。聞き取り調査内容の反訳作業も進めており、調査・研究とも順調に進展していると言って良いだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度のこれまでの聞き取り調査内容の反訳を中心に行うが、あわせて更なる事例収集を積み重ねるために、聞き取り調査も行う。 また、靖国偕行文庫が所蔵する資料の調査を行うことで、私立文系大学から学徒出陣した方々に関する資料収集を行うとともに、戦友会名簿などを調査することで、出陣者や戦没者の人数調査を行う。 これらの調査内容は、年度末に刊行する報告書に組み込みこまれる。
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Causes of Carryover |
平成26年度使用額に差額が生じた要因の一つは、資料の整理やテープ起こしなどを依頼するために計上していた人件費を予定より使用しなかったことによる。その理由としては研究代表者・分担者・協力者自身でテープ起こしや資料整理などを行ったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度については、これまで同様、聞き取り調査・資料調査のための費用(旅費・宿泊費ほか)を計上するほか、報告書作成のための、聞き取り内容のテープ起こしの費用、また報告書の作成費用を計上する。とくに報告書の作成費用については、内容の充実のため(ページ増など)に当初の予定より多めの費用を計上する。
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Research Products
(2 results)