2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370812
|
Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
寺嵜 弘康 神奈川県立歴史博物館, その他部局等, その他 (80250231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 拓朗 神奈川県立歴史博物館, その他部局等, その他 (80435825)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 横浜正金銀行 / 海外店舗 / 外国荷為替 / 行員録 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究実績としては、昨年に引き続きアメリカ国立公文書館所蔵の横浜正金銀行ニューヨーク支店資料のうち、明治18年、明治20年、明治22年の「本店公信」(通信文)の翻刻を実施した。前年度に翻刻を完了したものを含めると、10ヶ年分の内、7ヶ年分を完了したことになる。これまでに翻刻した「紐育領事館関係綴込書」「半季考課状」などとも合わせて分析した結果、横浜正金銀行ニューヨーク出張所の設立当初の活動内容が判明した。 具体的には、ニューヨーク出張所に勤務した行員の氏名、給与、人員の交替、さらには出張所の設置場所の変遷、毎年の営業成績、外国荷為替業務などについて把握することができた。また、従来正確な年代が不明であった『原六郎伝』掲載の横浜正金銀行設立期の写真について、上記の本店公信の記述により明治20年5月撮影であることが判明した。 このほか横浜正金銀行行員録の所在調査をおこなった結果、最古の記録は明治43年で、印刷物としての行員録は大正7年以降であることが判明した。次年度にはそれら行員録を撮影したうえで、ニューヨーク支店勤務者リストの作成を行う予定である。また、神奈川県立図書館からは、ロンドン支店支配人を務めた中井芳楠・長三郎関係資料の移管を受け、研究課題の達成に向けた関連資料の収集とその整理を実施した。 本研究成果の一部は、平成27年11月に「横浜正金銀行の海外展開ーニューヨーク出張所の開設を中心にー」(『神奈川県立博物館研究報告』第43号)と題した論考を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、アメリカ国立公文書館所蔵の横浜正金銀行ニューヨーク支店資料を活用して、その支店の活動を明らかにするものである。なかでも明治13年から明治22年まで正金銀行本店からニューヨーク支店にあてた書簡(本店公信)を翻刻し、分析することが中心課題である。現段階までには明治13年から22年までの10ヶ年分のうち7ヶ年分の翻刻を完了しており、残りの3ヶ年分は次年度において十分に達成できる見込みである。ただし、その分析や関連資料の収集の点で未実施なものもあるが、これも次年度に十分に達成できる見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続き筆耕作業を実施するとともに、各種の調査作業をおこない、本研究推進のために設置した横浜正金銀行ニューヨーク支店研究会を開催し、研究報告、討議をおこない、報告書の完成をすすめる。
|
Causes of Carryover |
本年度(平成27年度)に執行を予定していた翻刻作業が、研究協力者の病気により一部実施できなかったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度早々に研究協力者に筆耕を依頼することで、前年度(平成27年度)に実施できなかった翻刻作業を計画的に実施する。
|