2015 Fiscal Year Research-status Report
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26370815
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 健太郎 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80434372)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ウマイヤ家 / アンダルス / マグリブ / カリフ / モリスコ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マグリブ・アンダルス地域という中東地域とは異なる視角からウマイヤ家像の変遷を明らかにすることである。2015年度は、前年度に引き続き、イブン・ハルドゥーンの史書Kitab al-Ibarや14世紀の外交書簡などを通して、ウマイヤ家像の検討をおこなった。それに関連して、9月に上智大学でおこなわれた「NIHUプログラム イスラーム地域研究」東京国際会議New Horizons in Islamic Area Studies: Asian Perspectives and Global Dynamicsにおいて、分科会Rethinking the Pre-Modern Islamic Statesのモデレータを務めた。この分科会では、アッバース朝、マムルーク朝、そして14世紀のマグリブ・アンダルス諸王朝それぞれにおける支配の正統性と権威の源泉が論じられ、ウマイヤ朝を含むカリフ観の地域差も議論の焦点となった。 また、モリスコたちが書き残した史料を通して彼らのウマイヤ家像を探る試みにもとりかかった。現時点ではあまり大きな成果は得られていないが、16世紀半ばにはイブン・ウマイヤを名乗る人物に率いられたモリスコの大規模な反乱がグラナダで生じている。終末論的色彩も帯びていたこのモリスコ反乱と、マグリブ・アンダルス地域におけるウマイヤ家像の継承と変遷との関わりは、次年度の研究の重要な課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内における文献調査については一定の成果があったが、本務先の用務のスケジュールとの関連で海外調査の機会がまだ得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
治安状況を注視しつつ、チュニジア調査およびスペイン調査を計画している。また、最終年度にあたるので、研究成果のとりまとめを進める。
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Causes of Carryover |
本務先の用務により海外調査をおこなうことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
チュニジアおよびスペインでの海外調査をおこなう。
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Research Products
(3 results)