2015 Fiscal Year Research-status Report
ムガル帝国におけるマンサブダールのプロソポグラフィのための基礎的研究
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26370823
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
真下 裕之 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (70303899)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ムガル帝国 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、アクバル時代からアウラングゼーブ時代に属する年代記史料、伝記資料、文書資料等を根拠資料として、マンサブダール各人の経歴を構成する各事項を採集・整理し、電算機上でデータベースを構築する作業を進めた。各々の文献資料の解読・整理・分析をさらに進め、マンサブダール各人の経歴を構成する制度史上・社会史上・文化史上の諸事項を整理した。 所要の一次資料、二次資料を継続して整備するとともに[設備備品費、その他]、未公刊の手写本資料についての調査も継続して実施すべく、大英博物館(貨幣・メダル部門図書室)、大英図書館(東洋・インド省コレクション閲覧室)、ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院図書館に赴き、研究課題に関連する研究資料を調査、閲覧し、その一部について電子複写ないしデジタルカメラによる写真を入手することが出来た。 以上のごとく、現有の研究資料と新たに整備する研究資料を解読・整理・分析して、マンサブダール各人の経歴を構成する各事項の情報を採集・整理する作業を進めた。また実地調査等によって得た資料は研究に供する基礎資料とすべく、目下解読を進めているところである。 以上の作業を通じて得られた知見を材料として、デリー・スルターン朝時代からムガル帝国時代への政治構造の変化を論じる学会発表を行った。また同時代のデカン地方におけるムスリム諸政権の動向をムガル帝国の諸事例の参照系とすべく、同地方において行われた歴史叙述の諸相を検討し、その結果を二本の論文として公表した。またムガル帝国時代の制度史史料に関する文献学的研究も継続させ、訳注として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの基礎資料となるデータの収集は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
主たる研究成果としてのデータベースを公表する方法や形式・媒体について検討する。
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Causes of Carryover |
当初見込んでいた「人件費・謝金」の支出を要する作業がこれまで生じなかったこと、「その他」の内容として見込んでいた「マイクロフィルムの複写代金」が実地調査先の閲覧規則が変更されたことで、セルフサービスによる写真撮影が可能となっていたため、当初見込まれた支出が少なく済んだこと、による。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度(平成28年度)においては「人件費・謝金」の支出を要する作業および、「その他」の「マイクロフィルムの複写代金」を要する見込みであるので、そちらに次年度使用額を充てる計画である。
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Research Products
(5 results)