2016 Fiscal Year Annual Research Report
A preliminary survey for prosopography of mansabdars of the Mughal Empire
Project/Area Number |
26370823
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
真下 裕之 神戸大学, 大学院人文学研究科, 准教授 (70303899)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ムガル帝国 / マンサブ / プロソポグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ムガル帝国におけるマンサブ制度を国制史の範疇のみならず、マンサブダールとしてムガル帝国に生きることの社会的意味という観点から多角的に解明するために、ここのマンサブダールの経歴を、国制史以外の事項まで整理・分析することによって、総合的な経歴記述(プロソポグラフィ)のための基礎的データを集積することである。前年度までに得た知見とデータをもとにして、各々の文献資料の解読・整理・分析をさらに進め、マンサブダール各人の経歴に関する資料をデータベースに構築するための基礎作業を進めた。また所要の一次資料・二次資料の図書を引き続き整備するとともに、未公刊のペルシア語手写本資料を調査するため、ロンドンに赴き、The British LibraryおよびSchool of Oriental and African Studies, London Universityに所蔵される資料を閲覧し、その一部について複写を得ることができた。以上によって得られた基礎的データを援用することで、今年度においては以下のような成果を得た。(1) 本研究に密接に関連する一次資料『アーイーニ・アクバリー』の史料研究を継続し、その成果を論文1として公表した。(2) 本研究と時代的に並行するデカン地方のムスリム政権について、本研究が期する経歴記述の参照系とすべく、その王家の系譜意識の展開を解明して、その成果を論文2として公表した。(3) ムガル帝国の社会を特徴づけたペルシア語文語文化の展開がマンサブダールの知的生活と密接な関連を有するとの展望から、発表1および発表2を行い、有益な示唆を参加者から得ることができた。また今後の研究の展望として、帝国宮廷における贈与儀礼とマンサブダールの経歴との関係についての研究を、他の研究プロジェクトと緊密な連携を取りつつ、構想しているところである。
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Research Products
(4 results)