2016 Fiscal Year Annual Research Report
Ritual and International Order in Eastern Eurasia during the Twelfth Century
Project/Area Number |
26370825
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古松 崇志 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (90314278)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 金 / 儀礼 / 都城 / 外交儀礼 / 国信使 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、金と南宋・高麗・西夏などの諸国とのあいだで定期的に派遣された使節団が金および各国の朝廷で参加する各種の儀礼を詳細に検討することをつうじて、この時代の金を中心とするユーラシア東方の王朝間相互の関係の特質を実証的に明らかにしようとするものである。 本年度は、金国朝廷において正旦・聖節(皇帝の降誕節)を祝賀するために国内の臣僚や外国使節を集めて挙行される各種儀礼(正旦・聖節を祝賀する朝賀・上寿儀礼や皇帝が外国使節と対面する入見・朝辞儀礼など)についての研究をおこなった。太祖(阿骨打)の金国建国にはじまり、太宗(呉乞買)・熙宗(合剌、亶)を経て、中都に遷都した海陵王(迪古乃、亮)とその後を受けた世宗(烏禄、雍)に至るまで、時系列に沿って儀礼制度および儀礼がおこなわれる場の変遷をあとづけ、金国の国家建設の展開や王権変容の過程と関連づけながら詳細に検討した。そのうえで、その時々のユーラシア東方の国際情勢を考察し、外国使節の参加する儀礼に象徴的に現れる王朝間関係を明らかにした。本研究の成果にもとづいて、12世紀の金の覇権のもとで存続した多国体制について、前代の契丹が中心となった多国体制と比較し、連続する部分と変化した部分を考察し、その特質を明らかにした。
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