2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Mongol - Song War: A Comprehensive Analysis of the Historical Documents, Battle Sites, and Relics
Project/Area Number |
26370826
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
舩田 善之 広島大学, 文学研究科, 准教授 (50404041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モンゴル / 宋 / 戦争史 / 交通史 / 墓誌 / 漢水 / 淮河 / 国際情報交換:中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度である本年度は、現地調査を実施し、収集史料の分析結果に基づく成果のとりまとめを行い、成果の公表に注力した。 現地調査については、中国河南省鄭州・南陽・信陽及び安徽省ジョ州・江蘇省淮安・上海において、宋・金・モンゴル・明時代の石刻史料・史跡・景観ならびに博物館の関連展示と遺物を調査した。金-宋及びモンゴル-宋対峙期の最前線であるこれらの地域は、モンゴル軍の通過地域かつ補給路線である。これらの調査を通じて、文献史料から得られた情報を立体的かつ具体的に解析する基盤を得ることができた。また、淮安・ジョ州は、南北交通の重要な幹線に位置し、また明王朝の発祥地でもある。これらの地域の調査を通じて、本研究を長期的なスパンに位置づけるための情報を得ることもできた。さらに、ライデン大学で開催された国際会議に参加した際、博物館において、モンゴル時代及びその前後の文化財を調査するとともに、戦争・城塞の比較研究のために、関連の展示を見学した。 研究のとりまとめでは、石刻史料・典籍史料と現地調査で得られた情報の分析を通じて、モンゴル-宋戦争に求められた人材、この戦争を通じて浮上する軍官の存在と彼らが果たした役割、彼らが宋併合後に与えられた任務や新たに構築した人的ネットワークを考察することにより、モンゴル-宋戦争の現場における具体的な交戦・進軍過程、後方における補給や水軍の訓練の状況、この戦争を通じて当該地域に生じた歴史変動、戦争終結後の南北統合の実態を解明することができた。 研究成果の公表では、国内の学会やワークショップでの研究発表3件、国際学会での研究発表2件を行い、中国語論文2本が刊行された。また一般向けの講演も行い、成果の社会への還元も行うことができた。
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Research Products
(9 results)