2015 Fiscal Year Research-status Report
19世紀末から20世紀初頭におけるトルコの音響文化
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26370831
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 奈穂子 東海大学, 教養学部, 准教授 (20453706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 雄三 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (20014508)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 音響文化 / オスマン朝 / トルコ / 演劇 / 音楽 / 祝祭 / 舞踊 |
Outline of Annual Research Achievements |
*演劇関連(担当:永田雄三)海外研究協力者ハティジェ・アイヌルと相談のうえ、オスマン演劇本のトルコ語版を作成することに決定し、現在その作業を続けている。 *祝祭関連(担当:奥美穂子)19世紀オスマン帝国の祝祭で用いられた祝砲に関し、調査・研究を継続中である。今年度に実施したイスタンブルにおける調査では、首相府オスマン文書館ならびにイスラーム研究センター図書館において、オスマン語の文書史料ならびにトルコ語文献資料の収集・分析を行った。 *音楽関連(担当:松本奈穂子)昨年度に引き続きオスマン朝末期の音楽情報として重要な資料となる楽譜および音楽関連雑誌の収集をアタテュルク図書館、イスタンブル国立音楽院およびイスラーム研究所等にて行った。具体的な実績成果としては、オスマン朝末期出版楽譜の種類と傾向について現段階までに調査できた内容を『オスマン朝の音楽:19世紀末から20世紀初頭にかけての音楽関連出版物』にまとめた。またオスマン朝末期からトルコ共和国初期にかけて重要な役割を果たした旋律学校から出版された旋律学校楽譜集(トルコ古典音楽)の調査結果を『旋律学校全集:トルコ古典音楽楽譜集』にまとめた。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所に所蔵されている、分担者永田雄三がかつて収集したオスマン朝末期の演劇ポスター全点の音楽関連情報を抽出し、『東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所蔵のオスマン朝末期演劇興業資料に見られる音楽関連データ』にまとめた。分析は分担者永田雄三による同資料の電子ファイル無しには、1年という短期間で進めることは困難であった。オスマン語のラテン文字表記に関しては研究協力者ハティジェ・アイヌルより多くの教示をいただいた。両氏に心よりお礼申し上げる。なおこの音楽データ一覧は、さらにデータ整理を加えた修正版および日本語約版を2016年度中に出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
奥の研究参加により、音楽以外にもイスタンブルに多数存在する多彩な音響文化研究対象がより広がり、充実した結果を出せる可能性が深まった。音楽関連(松本)では昨年度の調査先に加えて、今年度新たにイスラーム研究所の楽譜コレクションを調査し始めることができたこと、同機関の楽譜コレクションがかなり充実していることを確認できたことは大きな成果である。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所蔵のオスマン朝末期演劇興業資料に見られる音楽関連データの抽出を行えたことも、今後分析を加えていくうえで重要な成果であったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
演劇関連(担当:永田雄三)オスマン演劇本のトルコ語版作成に関し、2016年度の予算でnative speakerによるトルコ文チェックの謝金を永田の予算から支払う予定である。この他に伝統演劇カラギョズの音楽に関して収集された資料を分析する。 祝祭関連(担当:奥美穂子)2016年度も引き続き19世紀オスマン帝国の祝祭で用いられた祝砲に関する調査・研究を継続し、成果発表に向けた準備を進める。 音楽関連(担当:松本奈穂子)オスマン朝末期の音楽関連資料収集・調査・研究をアタテュルク図書館、イスタンブル国立音楽院、イスラーム研究所、イスタンブル大学貴重本図書館等をはじめとする諸機関で来年度も引き続き資料収集予定である。この2年間の調査で、これらの機関に所蔵されている楽譜の量は、非公開の資料も含め、本科研当初想定していたよりもかなり多いという実態が見えてきた。楽譜は当時の音楽文化の片鱗を映し出す貴重な資料であるため、楽譜資料調査に当初よりも重点を置いて進め、あわせて雑誌・新聞記事他音楽関連資料を収集することで、より着実な成果が得られると考えている。また、本年度音楽情報を調査した東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所蔵の演劇ポスター資料は、演劇・音楽・美術・広告など様々な分野にまたがる豊富な情報を提供する重要な資料であり、今後多様な角度からの研究が待たれる。音楽に関しては、同年代の楽譜や雑誌などの出版物とともに分析を加え当時の音響文化の一側面に迫ることができればと考えている。
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Research Products
(6 results)