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2016 Fiscal Year Research-status Report

新出楚簡よりみた楚国史の新研究

Research Project

Project/Area Number 26370834
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

工藤 元男  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60225167)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords清華簡 / 繋年 / 申公子儀
Outline of Annual Research Achievements

「繋年」第8章にみえる晉秦間の「コウの役」の史料系統を検証し、この戦役の後の秦と楚の関係の変化について検討した。その成果は「清華簡「繋年」第八章覚書」(『史滴』38、2016.12)として発表したが、その検証過程は以下の通りである。
一、「清華簡「繋年」第8章釈文・書き下し・通釈」 先行研究の研究成果を踏まえて、原文の釈文・訓読・日本語訳を提示した。
二、「『左伝』にみえる「コウの役」」 同戦役のことが比較的詳細に見える『春秋左氏伝』(以下、『左伝』)の記事をまず取り上げ、1「コウの役の背景」、2「秦穆公の断行」、3「秦軍の無礼と王孫満の予言」、4「弦高故事と滑の征服」、5「晉襄公の親征と墨テツ」、6「コウの役の敗北と秦穆公の悔恨」、7「楚との関係模索」の各節に分けて、この戦役の背景と経緯、および結末を比較検討した。これに関連する記事は、その他の文献にもみられ、しかもそれぞれの間で内容に異同があるので、そこで次に『史記』を中心にして『左伝』以外の記事の場合と比較検討した。
以上の検討を踏まえて、同戦役を伝える「繋年」の記事を『左伝』や『史記』などと比較すると、「繋年」の内容はかなり簡略的であることが分かった。これは「繋年」の資料的性格に因るものかも知れないが、重要なことは、清華簡には「繋年」の7「楚との関係模索」に登場し、秦楚和平交渉にあたった「申公子儀」に関する新資料がみえることである。この資料の検討については、本論文で取り上げるのにそのテキストの入手が間に合わなかったので、2017年度において検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初は「繋年」を縦糸に、上博楚簡等の楚王故事諸篇を横糸に組み込んで、出土文献からみた楚国史の新断面を照射する計画であったが、縦糸の「繋年」第8章の史料的性質を検討するため、これを『左伝』や『史記』等の伝世文献と比較した結果、「繋年」の内容の簡略性が明らかとなった。これは「繋年」が伝世文献より史料的に劣るということなのかどうか、重要な問題である。
一方、同じ清華簡の中には楚の申公子儀に関する独立した篇が存在することが分かったので、これを組み入れて「繋年」第8章の史料的性質を検討する必要が出てきた。しかし、この「子儀」篇を収めるテキストの入手が遅れたので、その検討は2017年度に行われる。

Strategy for Future Research Activity

同じ清華簡の中で、「繋年」第8章の中に申公子儀に関する記事が断片的にみえ、また独立して「子儀」篇が存在する。この両者の検討によって、「コウの役」後の秦楚関係を再検討し、それを楚国史全体の中で読み直す作業を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 「清華簡「繋年」第八章覚書」2016

    • Author(s)
      工藤 元男
    • Journal Title

      『史滴』

      Volume: 38 Pages: 2、19

URL: 

Published: 2018-01-16  

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