2016 Fiscal Year Research-status Report
第二次世界大戦後東中欧における複合的強制移住のメカニズムの解明
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26370863
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山本 明代 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (70363950)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 第二次世界大戦 / 東中欧 / ハンガリー / ドイツ / 強制移住 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度には、ドイツのシュトゥットガルトの市文書館、ならびにバーデン=ヴルテンベルク州文書館、ハンガリーのセーチェニ国立図書館にて資料調査を行った。シュトゥットガルト市文書館とバーデン=ヴルテンベルク州文書館では、1946年と翌年のハンガリーからのドイツ系住民の強制移住の受け入れに関する史料を閲覧した。受け入れ条件に合わなかったドイツ語を話せない住民をハンガリーに帰還させたことなど、新たな知見を得ることができた。ハンガリーでは、国立図書館で、関連資料の収集を行った。これまで集めることができなかった雑誌の特集を閲覧し、収集した。新たに社会主義時代のハンガリーでの研究状況を知ることができた。 5月に開催された名古屋歴史科学研究会2016年大会「外世界と地域社会―移民・植民・先住民―」において「 第二次世界大戦期ハンガリーにおけるドイツ系住民の強制移住と地域社会」と題する報告を行った。そして、上述した8月にドイツとハンガリーで行った資料調査によって得た成果を加えて、同タイトルの論文にまとめた。論文では、ハンガリーにおけるドイツ系住民の強制移住の原因を国際的・国内的要因から検討し、強制移住政策の決定過程とその実態、強制移住に伴う地域社会の変容を明らかにした。この論文を寄稿した雑誌はまだ刊行されていないが、6月頃の予定になると聞いている。前年度執筆したチェコスロヴァキアとハンガリー間の住民交換に関する論文を所収した論文集を科学研究費補助金の出版助成を受けて刊行することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドイツのシュトゥットガルトとバーデン=ヴルテンベルク州の資料調査を行ったが、他の地方の調査ができなかったため。また、チェコ、およびスロヴァキアの調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度には、ハンガリーでの調査に加えて、ドイツ、チェコ、スロヴァキアでの調査を行って、遅れを取り戻し、さらなる研究成果の発表につなげたい。
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Causes of Carryover |
H28年度は、最終年度であったため、これまでの不足を補い、論文執筆に必要な資料収集を海外調査で行うことを計画した。8月にドイツとハンガリーの文書館で調査を行ったが、夏期であったため、文書館の開館日と時間が通常よりも短縮されており、加えて予想以上に資料の分量が多く、デジタルカメラの使用制限もあり、必要な資料を全部収集することができず、H28年度中に実施すべき調査を当初計画したように実施できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度には、ハンガリーとドイツ、チェコ、スロヴァキアへの海外調査に行き、各文書館での資料取集を行い、遅れを取り戻す計画である。
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Research Products
(4 results)