2016 Fiscal Year Annual Research Report
A comparable study of the slave populations among the 4 sugar estates in British Jamaica
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26370868
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Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
伊藤 栄晃 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (60213071)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英領西インド / 砂糖プランテーション / アフリカ人奴隷 / 出生 / 死亡 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献研究として西インド諸島奴隷制と大西洋奴隷貿易に関する欧文(英文)学術書13冊とやはり英文学術雑誌論稿23篇のゼロックスコピーを入手し、欧米の最新の研究成果に対して批判的検討を実施した。平成26年度以来の文献研究を通して、19世紀前半のプランテーション奴隷人口の動態については、マクロ研究すなわち英領西インド全体やジャマイカなどの各島嶼ごとの集計データの検討は驚くほどの進歩を見せているのに対し、ミクロ研究すなわち各農園での名寄せを通しての男女カップリング・出生・死亡研究は未だ追及の余地が大であるとの印象を得た。 この認識に立ち、本年度の原史料調査研究は2016年8月9日から同年8月25日まで昨年同様英国ブリストルに滞在し、引き続きブリストル大学附属図書館所蔵の「ピニー家文書」の調査に従事する一方で、オックスフォード大学ボドレー図書館所蔵の「バーラム家文書(The Barham Papers)」の中の特にジャマイカに彼らが所有していたメソポタミア砂糖農園(The Mesopotamia Estate)関連文書の調査を実施した。 研究成果の公開については、昨年までの調査研究の成果のうち18世紀末にピニー家がネイヴィス島に所有していたモントラヴァーズ農園の奴隷の家族形成をテーマに、2016年6月24日に国際学会アメリカ農業史学会(Agricultural History Society: AHS)の2016年度年次大会(ニューヨーク市大学New York City College主催)にて発表を実施した。とりわけ18世紀末の当農園の奴隷社会に見出されたプランテーション労働の変動リズムと奴隷の出生の変動リズムとの連関という問題提起に多くの質問・関心が得られた。なお今年度のブリストル大学での「ピニー家文書」再調査の成果は、来る2017年5月27日に社会経済史学会第86回全国大会(慶応義塾大学主催)にて発表することになっている。
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Research Products
(2 results)