2014 Fiscal Year Research-status Report
ベルリンの壁開放の真のプロモーターとしての東独出国運動に関する総合研究
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26370869
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
青木 國彦 東京国際大学, 経済学部, 教授 (70004207)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東独史 / 出国運動 / ベルリンの壁 / 壁開放 / 体制転換 / 反体制 / 平和革命 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度としての重点課題は文献・資料収集とその精査であり、収集作業としては: (1)関係書籍約130冊(数点の和書以外は洋書)を購入し(うち過半は科研費によるが、残りは勤務大学から支給された個人研究費による)、また現勤務大学図書館および前勤務先の東北大学図書館、並びに「大学間相互利用」制度を利用して、多数閲覧した。2014年はベルリンの壁開放25周年に当たったこともあって、ドイツでは本年度および近年に多数の研究書や資料集が刊行された。 (2)ベルリン所在のBStU(旧東独国家保安省文書保管庁)本部に出張し(10月31日~11月9日)、事前に文書番号ないしキーワードによって依頼しておいた国家保安省文書102フォルダー、約2.2万ページを閲覧し、そのうち約4600ページの複写を依頼した。複写は保管庁係員のみが可能で、プライバシー情報黒塗り後に複写したものが送付されることになっている。全依頼複写の送付完了は翌年度初めの予定になった。なおこの出張の際の夜間と週末には元国家保安省本部にある文書保管庫や元同省ホーエンシェーンハウゼン拘置所、ベルナウアー通りの壁記念施設を視察した。 文献・資料に基づく研究作業としては主に、(1)において収集した文献を精査した。その結果を、(a)既存の関係諸拙稿への大幅な増補に活用し(これは将来予定の書籍刊行準備である)、(b)作成中ないし準備中の数本の拙稿に利用した。但し、収集した文献の量が膨大かつ大部分の質も良好であり、それらの精査の一部は来年度にも継続する。(2)で収集した国家保安省文書の精査は、上記の事情により、翌年度に持ち越しとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献・資料の収集は質・量ともに当初期待以上の達成であった。その精査もほぼ順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)本年度も文献とアーカイブ資料の収集を継続する。後者としては、本年度は旧東独国家保安省文書保管庁に加えて、ドイツ連邦公文書館所蔵の旧東独政府・政党関係文書も調査する予定である。 (2)前年度及び本年度に収集した文献・アーカイブ資料の精査。 (3)上記精査に基づいて拙稿を発表し、また著書準備のため関連の既発表の諸拙稿の増補改訂をおこなう。
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Causes of Carryover |
注文した新刊書籍の刊行の遅れ、BStUからの複写資料送付の遅れ、および、在庫情報に基づいて発注した古書の一部が販売店側事情によってキャンセルされたため。但しこれらによる支出減少のうちの一部は書籍追加購入により支出した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
BStUからの複写資料送付は来年度初めに完了見込みであり、刊行が遅れている新刊予定書も近く刊行されるとのことである。また上記古書については別途発注済みである(未着)。
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