2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the East German Exit Movement and its Backgrounds
Project/Area Number |
26370869
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 國彦 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (70004207)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東ドイツ / 出国運動 / ベルリンの壁 / ホーネッカー / ゴルバチョフ / ローザ・ルクセンブルク / ケネディ |
Outline of Annual Research Achievements |
1. ベルリン所在の旧東独国家保安省文書保管庁(BStU)および連邦公文書館などにおいて資料収集をおこなった。いずれにおいても、資料名ないしキーワードの事前連絡により効率的に作業でき、東独を含む共産圏多国間共同研究プロジェクト「シュテルン」(ロシア語名はズベズダ)の6つの報告約1600ページや、BStU関係約8000ページ、公文書館約1000ページなど多数の関係資料を得ることができた。なお、BStUは、私が現地で発注した資料の複写の一部を送付しなかったので、請求したところある理由を挙げたが、理由の不当性を指摘して送付を請求中である。 2. 比較経済体制学会(2017年4月4~5日、弘前大学)において、東独出国運動の背景をなす「ソ連政治局ブレジネフ・ドクトリン停止(1981年)のその後:東独をめぐるソ連と西独の綱引き」について報告し、討論を得た。 3. ロシア・東欧学会(2016年10月29~30日、弘前大学)において「“自由とは常に異論を持つ者の自由である”(ローザ・ルクセンブルク)と“遅れて来る者は人生に罰せされる”(ゴルバチョフ?)」について報告し、討論を得た。表題の2つの言葉は1988年(前者)と1989年(後者)に東独変革に大きな影響を与えた言葉であるが、それらについて従来種々議論があり、解釈と意味づけを提示した。 4. 成果の1部はロシア・東欧学会誌『ロシア・東欧研究』や東北大学経済学会『研究年報経済学』、社会主義体制史研究会オンラインジャーナル『社会主義体制史研究』に掲載予定である(いずれも近刊)。 5. 収集した資料のうち多くの複写発送が、先方の業務多忙のため大幅に遅れたため、一部はまだ精査を終えていない。今後それを完了し、東独出国運動とその背景の総合像を描く予定である。
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Research Products
(5 results)