2016 Fiscal Year Research-status Report
第2次大戦時ハワイ日系人新聞の検閲 アメリカ軍による戒厳令下の「敵国語」統制
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26370871
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
水野 剛也 東洋大学, 社会学部, 教授 (90348201)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ハワイ日系アメリカ人 / 第2次世界大戦 / 戒厳令 / 日本語新聞 / 検閲 / 報道統制 / 言論・表現の自由 / ジャーナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度・2年目に引き続き、3年目の今年度も十分な成果をあげることができた。 まず、国際的な名声を誇る学会誌Journalism & Mass Communication Quarterly (Vol.93, No.1)に単著論文 “Press Freedom in the Enemy’s Language: Government Control of Japanese-Language Newspapers in Japanese American Camps during World War II”を掲載できた。本誌を発行しているAEJMC(Association for Education in Journalism and Mass Communication)はジャーナリズム研究において世界でもっとも権威のある学会である。 加えて、上述のAEJMCの年次大会で発表する論文を書き上げることができた。タイトルは“The Impact of Pearl Harbor on the Japanese-Language Press in Hawai‘i: Immediate Reactions to the Attack and Subsequent Military Licensing, Suspension, and Censorship”で、2017年8月にシカゴで開催される学会用に応募した。 加えて、史料収集のため積み重ねてきた出張を活かした成果として、日本のメディア史研究をリードする専門誌『メディア史研究』に、「アメリカ合衆国の日本語新聞 日本国内の主要所蔵機関を中心に」という論文を投稿し、審査を通過し、2016年9月に刊行することができた。また、同誌に投稿予定の新たな論文「ハワイの日系新聞・雑誌 ハワイ大学マノア校ハミルトン図書館の主要所蔵品」も書き始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、初年度・2年目に引き続き、3年目となる今年度も十分な成果(あるいは、成果発表に直結する活動)をあげることができている。当初の計画をはるかに上回る進み具合である。これまで継続的に、1年も欠けることなく科研費を受けつづけることができたため、蓄積がふんだんにあること、さらに研究フィールドであるハワイに一定期間滞在して研究に打ち込めたことが主な理由である。これまで収集してきた一次史料や文献を駆使して、かなり厳しい国際学会誌で英語論文を1本掲載、同学会での発表用に英語論文を1本応募、また国内の専門誌にも論文を1本刊行でき、さらに追加的な業績を複数あげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、当初計画した以上の成果をあげているので、それに満足・油断することなく、4年目以降も継続的に史料収集、文献精読にはげみ、かつ論文執筆をさらに進展させるよう努力するつもりである。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、所属大学のサバティカル制度を利用して2016年度いっぱいハワイのイースト=ウェスト・センター(East-West Center)に滞在したため、休暇中の出張をする必要がそもそもなくなったためである。とはいえ、論文・著書の執筆にともない追加的な研究がどうしても必要となるため、残額は次年度以降の国内外出張などに有効利用するつもりである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
定期的に国内外の研究機関等へ出張し、史料渉猟、あるいは学会に参加することで、当初計画したとおりの目的に沿って研究費を適正に使用していく計画である。論文・著書の執筆がすすめば、それだけ発表の機会も多くなるので、それに史料収集の出張をあわせたりすることで、効率的な使用をこころがけるつもりである。
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Research Products
(5 results)