2016 Fiscal Year Annual Research Report
The workers' movement and the liberal movement during the first Russian revolution: from the view point of alliance, inclusion and split
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26370872
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
土屋 好古 日本大学, 文理学部, 教授 (70202182)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロシア第一次革命 / 自由主義運動 / 労働運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
史料調査については、2016年6月後半から3週間ロシア国民図書館(ペテルブルク)の手稿部に所蔵されている第一国会選挙をめぐる新聞クリッピング史料(Fond 1072)を調査した。これは時の首相セルゲイ・ヴィッテの要請によってV.A. ドミトリエフ=マモノフが収集したものであり、第一国会選挙過程を検討するための最重要史料である。第一国会選挙に関しては、ロシア社会民主労働党は、多段階間接選挙であった国会選挙をすべての段階でボイコットするという方針を立てた。すでにわが国の研究で、ペテルブルクでは労働者の間で比較的この方針が徹底しボイコットが広がった一方、モスクワではそれは必ずしも徹底しなかったことなどが指摘されてきたが、ボイコットの具体的な状況については、必ずしも明らかになっていなかった。この調査によって、ペテルブルクの労働者の選挙行動の全容をほぼ明らかにすると同時に、モスクワ、ハリコフ、中央工業地帯など比較対照地域の動向についてもデータを得ることができた。少なくとも第一国会選挙では、自由主義者が労働者を国会政治の中に包含していくことには失敗したことが、この史料からは明らかになる。 以上の労働者と自由主義者の関係に加えて、自由主義者内部の亀裂について、上記ロシアにおける調査に続けてのフィンランドでも史料調査をおこなった。これに基づき、一方での包括的で均質な全市民的ネイション志向と、他方でのポーランドやウクライナ地域の民族的志向とのディレンマが、自由主義者の分裂へとつながっていくこと、またフョードル・ココシキンの領域的自治をめぐる議論や1905年10月に結成される主要な自由主義政党である立憲民主党の綱領に現れた市民的ネイションと民族のディレンマに対する解決策の模索などを考察した。この考察は、2017年にロシア革命百年を記念して岩波書店から刊行される論集シリーズに掲載される。
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