2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genocides and Property Transfers: A Comparative Study
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26370880
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
武井 彩佳 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (40409579)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドイツ現代史 / ユダヤ人 / ジェノサイド / ホロコースト |
Outline of Annual Research Achievements |
研究年度を一年延長した上での最終年度であり、成果をまとめるため精力的に学会報告を行い、論文を発表した。 まず8月にフランスとポーランドを訪問した。フランスではパリのショア―基金の文書館を訪問する傍ら、Yahad In-Unumという、ジェノサイドの現場を調査するNGOを訪問し、ホロコースト現場の発掘調査の進展について話を聞いた。ポーランドではトレブリンカ絶滅収容所とマイダネク強制収容所を訪れ、近年進む犯罪現場の考古学的調査について最新の知見を得た。この研究出張の成果は、帰国後すぐにドイツ現代史学会で報告している。また、この報告を膨らまして論文にし、『現代史研究』に発表した。さらに、11月にはポーランド、クラクフで行われたEuropean Association for the Holocaust Studiesの大会に参加し、アウシュヴィッツの表象に関し最新の研究の流れをつかむと同時に、学会参加者らとともにアウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館の保存・修復部門によるレクチャーを受け、当時に由来する遺物をいかに保存管理しているか学んだ。 3月には3回の研究報告を行った。一つは共同研究を行っているプロジェクトの中での報告で、これは9月にドイツ現代史学会で報告した内容と同じであった。二つ目はイスラエル・パレスチナ研究会において、冷戦を背景としたドイツ=イスラエル関係の分析を行った。三つめは西日本ドイツ現代史学会で、連邦共和国による一連のホロコースト裁判において法解釈がどのように変化してきたのか、最新の判例も分析しながら紹介した。 これらは当助成研究の直接的な成果であり、助成最終年度にふさわしい実績を残すことができたと考える。
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Research Products
(4 results)