2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Chinese Trade Ceramics from the 14th century to the 16th century -Changes from the Mongolian era to the Age of Discovery-
Project/Area Number |
26370901
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Research Institution | Okinawa Prefectural University of Arts |
Principal Investigator |
森 達也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (70572402)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 貿易陶磁 / 中国陶磁 / 陶磁考古学 / 元 / モンゴル / 大航海時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は14~16世紀の中国貿易陶磁の生産状況と消費地での出土状況を総合的に研究し、当該期の中国陶磁の貿易構造を明らかにすることを目的としている。そのため、中国での貿易陶磁産地である景徳鎮窯、龍泉窯、浙江諸窯、福建諸窯を現地調査し、当該時期の中国貿易陶磁の産地特定と各製品の編年を行い、併せて中国国内の杭州・太廟遺跡、山東・荷沢元代沈船、福州・東洛明代初期沈船など中国国内での陶磁器流通状況の調査研究も実施した。特に福州・東洛明代初期沈船ではこれまで生産地である中国福建省茶洋窯と沖縄各地のグスク、日本各地の城址や居館跡、都市遺跡でしか出土が確認されていなかった灰被天目茶碗が発見されており、当時の中国福建、琉球王国、日本を結ぶ陶磁貿易を考える上で極めて貴重な資料を実見調査することができた。また、イラン・ペルシア湾北岸のホルムズ、旧ホルムズなどの都市遺跡での現地調査を行い、14世紀~16世紀にわたる中国陶磁の流通状況の分析を行った。その結果、14世紀が西アジアにおける中国陶磁消費の最盛期であり、該期の中国陶磁の流通は龍泉窯青磁が最多、次いで福建陶磁、広東陶磁、景徳鎮窯磁器の順で量が少なくなることが明らかとなった。その他、ギリシャ・アテネでの現地調査、トプカプ宮殿所蔵中国陶磁の調査、石垣島、宮古島、福岡などの調査を実施し、該期の東アジアと中近東での中国陶磁の流通について研究を進めた。ここまでの研究成果を、韓国・新安沈船で発見された中国陶磁の産地と年代の再確認研究に応用し、その研究結果を、2016年9月に韓国ソウルの国立中央博物館で開催された新安沈船発見40周年記念国際シンポジウムにおいて発表した。また、2016年12月に昭和女子大学で開催されたモンゴル・インパクトに関する国際シンポジウムで、本研究の成果であるモンゴル時代のユーラシアにおける中国陶磁の流通に関して研究発表を行った。
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Research Products
(3 results)