2015 Fiscal Year Research-status Report
広域合併自治体周辺地区における課題解決の試み―地域維持と集落移転という観点から
Project/Area Number |
26370920
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
西原 純 静岡大学, 情報学部, 教授 (30136626)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 集落移転 / 平成の大合併 / 広域自治体 / 地域維持 / NPO |
Outline of Annual Research Achievements |
「広域合併自治体周辺地区における課題解決の試み―地域維持と集落移転という観点から」との題目の3カ年計画プロジェクトで、H27年度は中間年にあたっていた。特に、本年度も、日本地理学会秋季大会シンポジウム、地理科学学会秋季大会シンポジウムにて、指名報告を求められたこともあり、「広域合併自治体周辺地区での課題のさらなる洗い出しと解決の模索」とともに、わが国政府による平成の大合併政策の総括的な結果の検討も行った。 主な作業は、平成の大合併終了を受けて、22県では合併を推進した県としての「平成の大合併政策」の検証・評価を公表している。その資料をメタ資料として使い、特に広域合併自治体において周辺地区での問題点、支所のあり方の問題点を中心に解明し、同時に地方圏における合併・非合併の地方中小都市で今後のとるべき方策を、国の連携中枢都市圏構想、定住自立圏構想との関係で明らかにする作業を行った。その際、周辺地区の人口減少が合併に起因するものか、人口の自然減に起因するものかについての研究資料を収集した。 また、広域合併自治体におけるNPOを活用したまちづくり活動や、周辺地区での限界集落の実態、生活拠点となる基幹集落の実態を、詳細な地区データで明らかにするとともに、学会発表を行って集落移転についての識者の意見を収集した。 研究の成果公表は以下のとおりである。まず、口頭発表では、国内学会で3件、国際会議で1件である。また、本プロジェクトが2年目のこともあり、論文として出版されたものはないが、国内雑誌に1件投稿(掲載決定済み)、国際会議を元にしたConference Book(電子版)に1件投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の進捗状況については、(2)のおおむね順調に進展している、と判断した。その理由は、合併自治体とともに非合併自治体を含めてより課題を鮮明にしながら、特に周辺地区の地域維持の方策について、まちづくり系のNPOの調査(NPOと行政との協働事業など)も議論できたからである。また、今年度の成果として、学会発表4件、論文投稿中2件(うち1件は掲載決定済み)であることも、進捗状況について(2)と判断した理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、プロジェクト最終年度として、支所地区の人口減少の要因について最終的な見解をまとめること、周辺地区の地域維持と集落移転について(特に地域維持について)、NPOの設立・活動の実態とを関連させてさらに分析して、報告書をまとめることとする。研究の総括として新たに2件の論文の投稿を計画している。 さらに、今回の課題プロジェクトの成果を踏まえて、新たな研究の発展を企図し、来年度以降の科学研究費補助金を始め各種団体の研究補助プロジェクトに申請を計画している。
|
Causes of Carryover |
調査対象の合併自治体のNPOアンケート調査結果の入力作業が遅れ(調査票の設計に万全を期したため)、年度末の調査結果のデータ入力は完了したものの、入力データのチェック作業が残ってしまったのがその理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、36,306円であり、これまでの受領金額の約1%である。したがって次年度早々に、H27年度でやり残した作業(NPO活動入力データのチェック)を行う。
|
Research Products
(5 results)