2017 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical and Practical Construction of Regional Geography Learning from the Viewpoints of Inter-regional and Scale-to-scale Comparison and Interrelationship
Project/Area Number |
26370922
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉水 裕也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (60367571)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会科教育 / 地理教育 / 比較 / 実践開発 / 単元を貫く学習課題 / 知識の構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,平成26年度までに実施したアンケート調査に基づく研究の枠組み,および枠組みに基づいた単元案の開発を行い,研究を総括することができた。 アンケート調査の結果によると,中学校の社会科教員は,教科書に即した授業を展開しており,単元を貫く課題の設定に困難を感じている。また,地域間の比較を行いたいものの,実際には上手くいっていないという現状があった。さらに,異なるスケール間の比較に関してもあまり意識されていないことがわかった。これらの現状を踏まえ,単元間の比較やスケール間の比較を考慮した単元モデルを開発した。その際,全ての単元で問いの構造図を作成し,単元を貫く学習課題と単元で学習する事項との関係性を明確にした。 開発した単元は平成28年度に開発した単元案に1つ加えた4単元である。アジア州では,人口動態や経済状況,宗教事情などを地域の人々の生活と関連付けて多面的・多角的に考察することを通して,アジア全体に関わる一般的課題とアジアの諸地域で見られる地域特有の課題を捉えさせる単元構成とした。ヨーロッパ州では,国家を超えたEUという組織のもとで,ヒトやモノ,カネが自由に行き来し,人々の生活が加盟前後で変化したことを理解し,言語や文化が違う国がひとつにまとまる難しさを間の比較を考慮した単元案を作成した。九州地方では,日本の諸地域学習のはじめに位置することを考慮し,「なぜ.,九州地方の人々は,環境と共生した生活を積極的に進めているのか.」という課題の発見に焦点化した単元構成とした。また,関東地方では,東京を中心とする関東地方が,日本の交通・通信網の中心地だけでなく世界経済の中心地の1つであり,交通・通信・物流の拠点として国内・国外と深く結びついていることを理解し,関東,日本と世界という重層的なスケールとのつながりを意識した単元案を開発した。
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