2015 Fiscal Year Research-status Report
地域労働市場改革に向けたコミュニティ経済開発政策の構築に関する総合研究
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26370929
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
加藤 恵正 兵庫県立大学, 政策科学研究所, 教授 (80161131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 康英 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (70592020)
和田 真理子 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (80275297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域中間労働市場 / 負のロックイン / オールド・ニュータウン / 社会的企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度の研究成果は以下の通りである。1.地域労働市場における社会的企業家の役割と育成に関する研究。コミュニティ経済開発政策構築において、地域中間労働市場に関わる点検は不可避である。ここでは、カナダ・バンクーバー市における先進的CED政策調査を踏まえ、地域中間労働市場の形成について農村部における可能性について検討を行った。2.コミュニティ経済開発政策展開における「負のロックイン」解除に関わる研究。CED政策は、地域の自立的な発展を加速することにある。ここで言う負のロックインとは、過去の都市・地域システムが環境変化に適切に呼応せず、都市・地域の調整が硬直化した状況を指す。CED政策の展開をめぐって、自治体の首長・幹部、商工会議所会等・金融機関会長などとのセミナーを開催し、現場でのCED政策の可能性について検討を行った。3.オールド・ニュータウンにおけるCED政策。兵庫県神戸市・明石市に所在する明石舞子団地は50年の歴史を有する。住民の高齢化率は40%をこえ、現在、コミュニティの再生に向けた様々な試みが展開している。ここでは、コミュニティの実態把握、住民の生活圏やまちづくりの動きを点検し、社会的企業の存立基盤を検討した。実際、ここではNPOや社会的企業が団地圏域を越えた重層的ネットワークを形成しながら、地域コミュニティを支える構図が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
わが国において、いまだ萌芽段階にある地域中間労働市場について、海外事例調査の成果を踏まえた学会報告・論文執筆、こうした調査から明らかになったCED政策実施における「負のロックイン」に関わる理論的検討や地域リーダーらとの地域に根ざした検討、さらにはオールドニュータウンでのコミュニティ政策の検討など、CED政策分析に関わる理論・実証面からの検討を行い成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで蓄積してきた国内外のCED政策に関わる知見・データ等をもとに、オールドニュータウンである明石舞子団地を事例に、関連自治体やNPOらとの協働調査研究を実施し、CED政策の構築を試みる。
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Causes of Carryover |
外部専門家委託「地域労働市場の時系列分析基礎調査」が2016年度9月に終了し、その分析にかかる研究会・セミナー等の実施により、社会的企業の実態分析に遅れが生じたため翌年度請求とした。本年度では、同実態調査について国内外での政策の実際を展望し、最終成果としてとりまとめる予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外調査旅費(熊本地震での社会的企業の動向調査を含む)および最終取りまとめのための研究会の実施経費。
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Research Products
(6 results)