2014 Fiscal Year Research-status Report
東アフリカ牧畜社会における降雨変動と紛争のメカニズム
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26370941
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
曽我 亨 弘前大学, 人文学部, 教授 (00263062)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 東アフリカ / 牧畜社会 / 紛争 / 降雨 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、アフリカにおける紛争の原因を、降雨や気候変動等による水資源量の変化と関連づける議論が活発になってきた。降雨変動が紛争に関係していること自体は、古くから指摘されてきたが、紛争解決には「政治的問題の解決よりも水問題を解決するほうが有効」という開発目標が、エビデンスに基づいて議論されるようになっている。単純な環境決定論を乗り越え、現代的な牧畜社会の実状を踏まえた上で、降雨変動が紛争を引き起こす具体的なメカニズムを解明する必要がある。本研究は研究期間内に、東アフリカ乾燥帯の牧畜社会を対象に、(1)降雨変動と紛争頻度の相関を測定し、相関がある場合には、(2)降雨量の変動が紛争を引き起こすメカニズムを解明することを目的とする。 平成26年度は、科学研究費補助金を用いて南エチオピア地域のガブラ・ミゴ社会を対象に、約4週間の(1)現地調査を実施した。調査においては、平成25年度10月から平成26年度9月までの、①毎日の降雨のデータと、②紛争の場所・規模・当事者の同定についてヒヤリングし、詳細なデータを得ることができた。さらに③当事者達が紛争の原因をどの様に考えているのかについてもヒヤリングできた。これを踏まえ、(2)統計解析を行った。①まず、アメリカ海洋局が運営するARC2(African Rainfall Climatology version2)の降雨データと本研究で得た降雨データを付き合わせることで、南エチオピアにおけるARC2のデータの精度を確認した。②つぎに降雨変動と紛争頻度の相関を計算したが、相関はみられなかった。これは、低強度の紛争が雨季・乾季に関係なく頻発していたことから、このような結果になったものと思われる。この結果をうけて、③低強度の紛争をどこまで含めて分析すべきか、方法論的な再検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記した、(1)現地調査の3項目、①地上降雨データの収集、②紛争当事者の同定、③紛争当事者へのヒヤリング、および(2)統計解析の3項目、①地上降雨データによるARC2データの評価、②現地データに基づく最適な解析方法の確立、の全項目について、ほぼ完璧なデータを収集し分析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度においても、平成26年度と同様の調査をすすめ、データの蓄積に努める。変更すべき点は、何もない。
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