2015 Fiscal Year Research-status Report
現代沖縄における歓楽街の変容に関する都市人類学的ジェンダー研究
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26370945
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
成定 洋子 沖縄大学, 法経学部, 教授 (60637388)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セクシュアリティ / ジェンダー / 沖縄 / 歓楽街 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、国際会議「Troubling Prostitution: Exploring intersections of sex, intimacy and labour」(主催:Cost Action IS1209、University of Vienna and the Institute of Conflict Research、オーストリア・ウィーン、2015年4月)において、これまでの研究成果についての発表「Workers and/or victims: Public clean-up campaigns of the red-light district in postcolonial Okinawa, Japan」を行った。 また、平成27年度は、沖縄本島における歓楽街や性産業の歴史的経緯や背景を明確化することを目的に、①沖縄県の地域史編さんに携わってきた自治体職員らにインタビューを行い、戦後沖縄の地域史における米軍基地周辺の歓楽街や性産業の位置付けを明らかにするとともに、②沖縄県立公文書館における歓楽街や性病予防法に関するUSCARや琉球政府の資料分析を通して、性産業や性産業従事者をめぐる戦後沖縄の歴史的、社会的、文化的状況を検証し、戦後沖縄における歓楽街の設立と浄化、性病管理のプロセスの中で、共同体、米軍基地、異種混淆性、公共性、民族、人種、セクシュアリティ、ジェンダーなどをめぐる諸概念・規範がせめぎ合いながら、互いに折衝する形で再構築されていく在り様を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の平成27年度の目的達成度は、概ね順調に進展していると判断できる。平成27年度の研究では、①沖縄本島における歓楽街の設立・形成・変容・浄化に関する資料収集・文献調査、②共同体・公共圏・親密圏・都市人類学に関する先行研究の収集・読解を中心に実施したが、②の知見を基にしながら、収集した資料についてさらに丁寧な分析作業を行うとともに、現在の背景だけでなく、歴史的な文脈や背景をさらに明らかにする必要があると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成26年度・27年度の成果を踏まえて、フォローアップ調査を実施しながら、1沖縄本島の米軍基地周辺における「歓楽街」等の設立・維持・対策・変容・浄化をめぐる実態の解明、および2「歓楽街」等の設立・維持・対策・変容・浄化に関する理論的解明を通して、本研究成果をまとめる作業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度予算のうち、16円分を使用することができなかったため、平成28年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の未使用額16円については、平成28年度の書籍代として使用予定である。
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Research Products
(1 results)