2018 Fiscal Year Annual Research Report
An anthropological study of dynamic intersections among developmental projects, environmental movements, and religious practices.
Project/Area Number |
26370949
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 美保 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 宗教 / 開発 / 環境問題 / インド / カルナータカ州 / 神霊祭祀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、南インド・カルナータカ州マンガルール郡における大規模な開発事業の進展とその影響について、ブータ祭祀と呼ばれる神霊祭祀に焦点を当てて検討し、開発と環境、宗教実践の関係を明らかにすることである。本研究では、開発事業に伴う大規模な環境破壊と住民の強制的移住、反開発運動の展開、工場内での宗教祭祀の復興という今日的なイシューについて、地域の土地や自然と密接に結びついたブータ祭祀を基軸として検討してきた。本研究は、①現地調査、②文献研究、③論文・著書の執筆を三つの柱としてとしている。平成26年度はブータ祭祀との関連を中心に、開発の影響を被っている村落住民、ならびに反開発運動を主導する社会運動家と環境団体の活動について調査を行った。平成27年度は工業プラントでの参与観察を実施し、開発を主導する企業の幹部、技術者、その他の雇用者へのインタビューを行うとともに、プラント内でのブータ祭祀について調査を行った。平成28年度は開発事業をめぐる住民同士の抗争について複数の村落で事例を収集するとともに、これまでの研究成果をまとめ、学術図書を執筆・出版した。平成29年度は追加調査を実施するとともに、研究成果の英語での執筆を開始した。最終年度である平成30年度は、マンガルールでの追加調査に加えてウッタラカンナダ県における比較研究を実施した。また、本研究の成果をまとめた著書(英語版)の執筆を完成させ、現段階では出版社によるレビュー中である。
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