2014 Fiscal Year Research-status Report
現代都市における死の諸観念の構造と変容を読み解くための研究―上海市を事例に―
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26370953
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
何 彬 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (50305405)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国 / 上海 / 葬儀 / 都市研究 / 死に関する民俗 / 霊園 / 墓 / 文献調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年12月16日ー12月25日の10日間に研究計画を実施した。本年度は本課題実施する初年度であったが、主に二つのことを中心に研究計画を実施した。 まずは、上海の華東師範大学民俗研究所・上海大学社会学院(2回)・上海殯葬文化研究所において4回討議を行い、それぞれ現地の学者、有識者と葬儀、霊園関係者に対して、本研究の計画を説明した。研究趣旨理解してもらい共同の問題意識を共有したことにより、現地調査協力体制を、①学者との討議と知識の提供、②大学院生のアンケートおよび文献調査の協力、③葬儀・霊園関係者からの現場進入して調査する承諾などでほぼ構成した。葬儀産業FIS組織に関する調査は次年度に実行する予定である。 第二は、本課題の柱の一つは上海と周辺地域の葬送関係文献リストの作成である。文献調査も二つ分けて実施した。①上海大学、上海華東師範大学と上海市立図書館三か所において実施した。その上に関係論文の分類、図書館による公開と非公開、条件付き公開の資料のリサーチの手法、Eデータと紙質資料の収集の効率性について、上海大学社会学院で教員と大学院生と討論を行い、中国国内の大学におおける文献リサーチの状況を把握した。②上海殯葬文化研究所での聞き取りにより、FISの形成を初歩的に把握した。葬送関係の業界誌について2000年以来の発展情報を知り、公開できる業界誌を一部購入できたほか、来年から非公開の業界誌を閲覧できる見込みである。文献リスト作成上に非売品の業界誌という難題の解決を一歩前進した。 霊園を訪ね、都市型庭園型霊園の市民の需要度、購買力、2000年以後の墓石、室内墓、新型墓などに関する市民の傾向について調査した際、墓の管理としての「死後の消費」について重要な調査課題を発見し、本課題の更なる研究成果が見込められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、文献調査と関係組織への聞き取り調査は実現できた。大型総合葬送企業と成長した「FIS」について、関係者から聞き取りができ、文献をリサーチしてしたほか情報を入手したほか、一部非買とされている葬送関係の業界誌を購入できたし、次年度では閲覧できるまで信頼関係を構築したことがあげられる。 文献リストの作成に関して、話し合いにより具体的な形は明らかに形成した。 葬送関係のことは中国人にタブー視される中、調査協力者および霊園関係者の理解を得られ、アンケート実行の承諾と運営情報を条件付きで教えてくれることは、調査計画が今後スムーズに進められる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、二年度目に二回調査行う予定である。行う調査の予定では ①協力者に依頼してアンケートと市民への聞き取りを展開し、市民階層の葬送消費の傾向を把握する。 ②すでに形成した信頼関係により、大型総合葬送企業と成長した「FIS」を組織の面、職業教育の面に重点をおいて聞き取りを行うことにより、上海市の葬儀産業構造の全容を明らかにする。 ③学会誌、業界誌に散在する葬送に関する論文のリサーチおよび分類作業、入力作業を続く。
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Causes of Carryover |
①調査地上海の協力者である大学院生たちの都合で、大規模なアンケート調査と聞き取り調査は次年度より展開することになったため。②そのために、予定している文献調査と調査機関への聞き取りは実施済みであったが、予定している調査期間の日数より10日ほど短縮した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
①次年度にアンケート調査と既刊文献リサーチなどを現地の大学院生を2名増やして依頼する予定であり、【8×5人×10日】で、前年度のこる予算100,000を消化する。 ②大型葬送企業のFISへの聞き取り調査は次年度に展開する予定なので、調査は二回にし、予定する20泊を合計30泊ほどに延長できることで、さらなる深みのある調査を行う。
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