2016 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the Structure and Transformation of Concepts Related to Death in Modern City: In the case of Shanghai
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26370953
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
何 彬 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (50305405)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国 / 上海 / 墓地 / 葬儀 / 都市民俗 / 葬送民俗 / 上場企業 / 都市化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一目的は、国有の福祉型から産業型への転換をいち早く達成した上海市葬送産業の形成と構造を解明することである。3年間の調査を通して上海市の葬儀場、火葬所と霊園の数と基本的な営業内容、改革した流れなどを把握し、福祉部門から「産業」に変身した上海葬送業の基本構造を明らかにした。さらに上場企業まで発展した事例調査もし、中国の都市における葬送産業の新たな動向を確認できた。都市民俗のフィールドワークとして3三年間で累積約300人の上海市在住の方にアンケート調査と聞き取り調査を行い、市民の葬儀に対する思いと都市における葬送の需要に関する最新実態を知った。 本研究の第2の目的は、上海と周辺地域における葬送民俗の文献をリサーチすることである。本研究では1980年-2010年に限定し、散在する関連文献を国家図書館、上海市図書館及び大学図書館において収集を行い、貴重な資料を入手し、研究課題『上海地域における葬送関連文献データベース』の基礎を確立している。 最終年度にデーター収集と研究成果交流、二つの目標があった。上海図書館で貴重な葬 送関係の写真が収蔵されていることを見出した。激変する大都市上海の日常生活の一部として、葬送の慣習はどのように時代の変化に適応しているのか、上海の民俗の多元的な構造をどう解読するか、現代の葬送や遺骨収納の多様な様相についてどう理解するかを題に、上海華東師範大学と『大都市上海の伝統と変遷を解読する』シンポジュムを共同開催した。上海の都市文化研究、民俗研究、葬送習俗研究において著名な研究者6名が発表してもらい、上海の葬送文化に関して討議を行い、今後、研究情報の共有と協力についても話し合った。本科研は、激変する現代中国の都市民俗に関する研究において重要な実践とであり、現代都市における伝統の変遷に関する研究は今後も重要な課題と考えられる。
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