2017 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of Volunary Assosiations of Oversea`s Chinese in Korea;
Project/Area Number |
26370957
|
Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
李 鎭榮 名桜大学, 国際学部, 教授 (30269170)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 韓国の華僑 / 韓国社会 / 関係の深い他者 / 難民 / 華僑 |
Outline of Annual Research Achievements |
韓国の華僑の法的地位の低さに加え、様々なレベルでの想像を絶するほどの差別を持続的に受けてきた生活実態が浮き彫りとなった。朝鮮半島に移住してきて100年以上過ごしてきていても、社会の一員としては受け入れてもらえないことがわかった。韓国の華僑の問題はもはや華僑の問題ではなく、むしろ韓国社会の問題である。 今日の多文化・多言語の世界的な潮流に照らしてみても韓国の華僑の地位は極めて独特なもので、彼らは、世界どこにおいてもフールメンバーとして受け入れてもらえない。まさに難民のような地位に甘んじられているしかないことがわかった。
韓国の華僑は出身国の中国でも、国籍国の台湾においても、さらに現在住んでいる韓国においても「完全な一員」としてはみなされない。そのため、韓国の華僑にとって関係の深いこれら主要3国の法律や施策が変わる度に「自分らが該当するのか否か」の「正しい解釈」を求め奔走する。彼らの微妙な地位ゆえ、どこの国の機関に問い合わせても「正しい答え」をえることができないでいるのだ。まさに今まで類例のない「21世紀型難民」のなっているのだ。 この極めて特殊な韓国の華僑というジャンルの人達は存在の特殊性ゆえに「部分的な関連」しか認められず、極めて特殊な人々である。韓国の華僑に関する調査の難しさゆえ、研究の対象となる機会すらほとんど与えられていない。韓国の華僑の研究は世界の華僑研究においても一石を投じるものと考える。しかも、韓国の華僑問題は韓国社会の問題であり、このような観点からの研究も重要である。
|