2015 Fiscal Year Research-status Report
「民族衣装」の創成と衣生活の変遷に見る東・東南アジア「華人性」の再構築
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26370958
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Research Institution | Tohoku University of Art and Design |
Principal Investigator |
謝 黎 東北芸術工科大学, 芸術学部, 准教授 (30424295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マレーシア華人 / 華人性 / 出身地と居住地 / アイデンティティ / 客家 / 旗袍(チャイナドレス) / 民族服 / ファッション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「衣」の変化に焦点を当てることにより、19世紀後半から20世紀にかけての東/東南アジアにおける華人社会の生活文化とアイデンティティの変遷を探ることである。平成27年度の研究においては、ほぼ予定通りに実施した。 4月~7月にかけて、研究課題関連の論文や書籍を収集し、内容を整理した。文献調査を通して本研究の社会的背景や先行研究などを把握し、問題意識を再確認した。 フィールドワーク調査は、平成27年8月~9月にかけて、研究協力者とともに、マレーシア(サラワク、ペナン)や台湾、上海へ文献収集と聞き取り調査を行った。それぞれのフィールドで研究者と意見を交わした。 マレーシアでは、シブやクチン、ペナンにある華人の歴史や生活に関する文献資料を収集し、出身地別の華人たちの生い立ちの記録を行った。また、シブ福州公会青年団が主催した旗袍(チャイナドレス)のファッションショーの主催者と参加者に対する聞き取り調査を実施した。仕立屋を通して、華人からの注文状況(国民服としてのマレー服、ババニョヤのクバヤ、中国の旗袍や唐装)を調べた。台湾では、図書館で日本統治時代の新聞や雑誌を中心に集め、書店で民族や服飾、客家文化に関する文献を収集した。台中では鹿港をはじめ、いくつかの民俗文物館で客家の歴史や衣食住、信仰儀礼に関する資料を収集した。現地の客家たちに対する聞き取り調査も行った。上海では中華民国時代の女性に関する文献や婦人雑誌、古写真と実物などを集め、チャイナドレスの仕立屋さんに聞き取り調査を実施した。 これらのフィールド調査を通して、最終年度の研究はより明確な問題意識を持つこととなった。なお、フィールド調査から得た貴重な一次資料を整理と分析に多くの時間を費やしたために、予定していた2月~3月の現地調査は実施を見送った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに文献収集と現地調査を実施し、多くの貴重なデータを取得することができた。しかし、データの整理と分析に思ったより時間がかかったため、より円滑に次年度の調査を実施するために、2回目の現地調査を見送った。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、最終的な研究調査と報告書の作成に向けて、関連文献を補充するともに、現地調査を行う。 【マレーシア】①文献資料を補充する。②華人関連の仕立屋の調査。③華人研究者との意見交換。⑤出身地別の華人に対する聞き取り調査。 【台湾】①関連文献の補充調査。②客家の衣生活の補充調査。③台湾の客家研究者との意見交換。 【上海】①関連文献の補充調査。②仕立屋の調査。③研究者との意見交換。 研究代表者は4月23日~24日に第35回国際服飾大会で本計画の中間成果として研究報告を行う(タイトル:「マレーシア華人にとって旗袍とは何か―サラワク州シブ市の華人社会を事例として」) 現地調査で得られた情報を吟味しつつ、研究報告書の章立てを確認し、年度末をめどに報告書の全体構成を比較の観点で作成し、執筆を進める。3月の報告書の完成を期す。これまでの研究で得られた成果を国際服飾大会で発表するとともに、今後の研究につなげたい。
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Research Products
(2 results)