2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380018
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
和田 仁孝 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80183127)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 被害 / Injury / 医療事故 / 不法行為 / ナラティヴ / 交通事故 / 損害賠償 / 法意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、各対象領域における質的調査をさらに実施するとともに簡単な質問し調査を、医療の領域で実施した。また、各種めでぃ絵における報道の言説の中で「被害」や「責任」観念がどのように埋め込まれているかについても、新聞記事を中心とした検討に着手した。また海外との比較における日本的な「被害」「責任」「要求表出」のモデルについて、「被害」と「責任」の二つの概念間の強度の連結と、逆に「要求表出」と「被害」「責任」の結合の一般的弱さ、および一定の閾値を超えた場合の「要求表出」の特性などの傾向が見いだされた。これについては、すでに論考として書き終えてるが、出版は2017年度となる見込みである。具体的には英語論文2本(アメリカで出版される本に収載)および日本語論文数本(国内出版の書籍に収載)が、近日中に公表される予定である。 中間成果の公表としては、シンガポールで開催されたAsian Law & Society Associationの年次大会においてMeaning of Suing in Japan and Accisent Compensation Scheme として発表した。その内容は上記の英語論文の形でとりまとめたものである。また台湾東呉大学の招きにより、医療事故被害とその救済システムについて、本研究で得られた知見をもとに発表を行った。台湾では、同様に被害及び責任意識に関するインタビュー調査も継続して実施した。 またこれら研究の過程で、被害を受けた側だけでなく、過失を問われた側の心理的な傷についても多くの問題が存在していることが発見された。今後はこのテーマについても本研究の課題との関係で探求していくことを考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論研究、調査研究の両面で順調に推移している。これまでの各領域に関わる学会発表に引き続き、28年度もシンガポール、台湾での学会、シンポジウムで成果を発表し、また、既に最終的結論に近似すると思われる成果についても、既に執筆済みで2017度には、英語論文2本、国内論文数本として公共が予定されている。以上より、ほぼ計画通りに順調に進行していると自認している。
|
Strategy for Future Research Activity |
順調に推移しているので、このまま予定通りに当初系買う通りに進行していく予定である。また、今後の研究の展開も見据えて、成果をとりまとめるだけでなく、より発展的な研究展開の方向性も見極めていきたいと考えている。
|